バイオリンの構えを学ぶ時に、弓を構える矯正器具や弓の軌道を制限する矯正器具があります。
自分が使わないので写真をもっていないのですが...
わざわざ購入を促す指導者はいない気がしますが...
個人的な経験と考えを簡単にまとめたいと思います。
まず、結果の見た目が正しく(教わった通りに)できない状況には、何種類かあると思います。
理論を教わっていないので、そうする必然性が受け入れられない。
筋力や神経が育っていないので、その動きができない。
すぐできるものだと思っていて、無理やりやろうとしている。
など。
個別の器具を考えると、
弓の構えの矯正器具は、鉛筆やお箸の持ち方の矯正器具と同じ部類でしょう。
ゴムでできた器具に合わせて、右手の構えが決められます。
構えを決められて、そこから弓の重さを感じることができるのは良いことです。
一方(すべての器具を知っているわけではないですが)、弓の毛と弦の接地点の変化に伴う弓の重さの変化が感じられるのか?そしてそれに合わせて右手の構えの変化が促されるのか?手首のあり方に乱れは生じないか?などは要観察だと思います。
弓の軌道を制限する器具は、注意を促す道具です。設定された幅の中で、慣れさせるというと簡単です。しかし、慣れというのは考えなしに右腕、右手首、右手の指で弓の軌道をコントロールできるようにすることです。
途中、考えることを促さないといけないでしょう。
採り上げた二つの器具とも、解決の一助にはなり得ますが、それだけで仕上がるものではなさそうです。
弓の構え方も考え方、伝え方にいろんな方法があるのでしょうが、1番簡単なのは、普段の右手です。
ずっとパーにして筋肉を張っている人はいないと思います。指、手が楽ちんになっているときの理由、見た目がどうなっているか見ることが理解の入り口だと思います。
弓の軌道の矯正は、体格や腕の長さにより例外処理が生まれるので、最初の情報整理が必須だと思います。どんな体格の場合も、弦の同じポイントを、弦と弓を直角にして摩擦させ続けるのが目的です。
弦の同じポイント、直角、二つのことが必要です。
こういったことを、教本に書いていないレベルの具体性で説明、体験できるようにするのがレッスンです。4歳、5歳だとしても、バイオリンから音が出る仕組みの「なぜ?」から把握できる情報はあります。
バイオリンに限らず、世の中やることは複数の階層で関連する複数の要素が並行して進むものです。
最初から全部を把握するのは無理ですし、最初から綺麗に有機的に結びつけるのは困難です。なので新しく教わる都度、咀嚼したいと思います。
よく咀嚼していれば、仮に誤って把握していることがあったときに、気付くことができます。
こう教わった!という定理に気をつける時に、なぜその定理に至るのか、の理解を反復することを欠かさないでほしいと思います。