音程が正しい、音価が正しい、リズムが正しい、
拍子もあっている、ヴィヴラートもかかった・・・
なぜサマにならないんだろう・・・
そうだ!感情を込めてないからだ!
と考えるのは大間違いです・・・
感情を込める、感情を絞り出すときには楽譜に”espressivo”と指示があります。
え?じゃあ無感情で、無機質に演奏しているの?
違います。楽譜に印刷されているあらゆる情報から”imagination”を込める。
そのために音色で言えば質感を、
音量や音価で言えば音のベクトルを具現化していきます。
楽譜から読み取った音楽に個人的感情を持つのはいいことです。自由です。
でも、演奏をする側として大切なのは、
読み取ったすべての情報を自分の演奏に出すことです。
全く取り付くしまがなさそうですが、原則があり、例外もたくさんあります。
多くの人が見落としている部分を1つ、とり上げましょう。
「スラー」
ヴァイオリンでは、楽譜上の「音楽のスラー」と「弓順のスラー」があります。
リコーダーで言えば基本、タンギングをしないで音をつなげていく部分です。
ヴァイオリンでも音が連なるように一弓で弾くこと(一弓で弾いたように聞こえること)を言います。
ここで、丁寧な人ほど陥るのが「のっぺらぼう」なスラーです。
音価を揃えてスラーを弾くと、Siriやアレクサのようになります。
スラーには大原則があり、
「スラーの頭ははっきり重め、スラーの後ろは軽く消えていくように」弾きます。
もちろん、例外は山ほどあります。
スラーの終わりが次の小説の1拍目にかかっている、
スラーの途中にテヌートがある、
スラーの終わりにアクセントが、クレッシェンドが・・・
しかし、それは大原則の上に載ってくる情報なのです。
動画ではかなり大雑把に説明していますが、
スラーの大原則を守ってみると、
技術的な問題を抱えている人も改善の糸口が掴めるでしょう。
話すように、語りかけるように弾けることを目指して、
この知識を演奏に取り入れてみましょう。