日本人は滅多に主語を言いません。
なんで言わないかについては以前述べた通り「文を短くするため、言わなくてもわかることは言わない」からです。
ではどうやって判断しているかわかりますか?
買い物に行くんです
買い物に行くんですよ
買い物に行くんですか
買い物に行くんですね
買い物に行くそうです
買い物に行くんだって
「私が買い物に行く」のか「あなたが買い物に行く」のか「第三者が買い物に行く」のか。ポイントは語尾です。
買い物に行くんです
何もなければ自分の話です。
買い物に行くんですよ
「~よ」は相手の知らない情報なので、これも自分のことです。
買い物に行くんですか
相手に聞いているんですから、これは「相手・あなた」ですね。
買い物に行くんですね
これは確認なので、やっぱり「相手・あなた」です。
買い物に行くそうです
買い物に行くんだって
これはどちらも「伝聞」なので第三者ということがわかります。
見分け方 その1:語尾
そして日本語には「わたし」にしか使えない言葉がいくつかあります。
例えば、
アメリカに行きたい
お金がほしい
なぜか悲しい
すごくうれしい
「~したい」「~がほしい」は内面のことなので外見からはわかりません。
「うれしい」「悲しい」のような感情も同じです。外見からはわからない。
日本人にとって思っていることと行動が違うのは当たり前のことなので、感情に関しては見てわかること、聞いたことの表現になります。
つまり
アメリカに行きたがっている
お金がほしいそうだ
のような言い方ですね。
見分け方 その2:感情・気持ちの表現は全部「自分」
「あげる」「もらう」「くれる」も主語が決まっています。
プレゼントをあげた=わたし
プレゼントをもらった=わたし
プレゼントをくれた=第三者
え?「あなた」の時はどうなるかって?
それは「プレゼントをくれてありがとう」の表現になるので一番わかりやすいです。
見分け方 その3:あげる・もらう=「自分」くれる=第三者
ではこの文はどうでしょう。
「引き続き社内で業務するんですね」
「~ね」があるから相手?
でも課長に自分の仕事を確認しているのかもしれません。
実はこれ、日本人にもはっきりわかりません。
こんな時はこう言います。
「引き続き社内で業務なさるんですね」
ここで敬語の出番です!
日本語の敬語は本当に面倒くさいですが、誰が主語なのか判断するのに役立ちます。
尊敬語なら相手、謙譲語なら自分です。
見分け方 その4:敬語で判断
最後はよく使う文型です。間違えやすいけど、しっかり覚えておきましょう。
明日行ったほうがいいです。
「~ほうがいい」はアドバイスなので「明日行く」のは相手です。
明日行ってもいいですか
「てもいいですか」は許可なので「明日行く」のは自分です。
明日行ってもらってもいいですか
があるので自分のようですが、この「もらう」は「私が恩恵をもらう」の意味なので「明日行く」のは相手です。
明日行かせてもらってもいいですか
「~せてもらう」は必ず自分です。「てもらう」と「せてもらう」はとても似ているので要注意です。
見分け方 その5:よく使う文型はそのまま覚える
そうそう、自己紹介の時に「わたしは」を言わないようにすると、すごくネイティブのように聞こえますよ。
ぜひやってみてください
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