結論から言うと、日本人は特に天気の話は好きではありません。
じゃあどうしていつも天気の話をするのかというと、日本には「雑談文化」があるからです。
雑談をすることで、相手は「敵」から「味方」へと変わります。
「最近、どうですか?」
日本人がよく聞く質問ですが、本気で興味があるわけではありません。
「私はあなたと仲良くなりたいです」と言っているだけです。
なので英語や中国語のように「いいです」と返すのは絶対にダメです。
話が終わってしまうので「私はあなたと話したくない」という意味になってしまいます。
でも「最近どう」と聞かれても毎日それほど変化はないですよね。
そこで出てくるのが「天気の話題」です。
個人的なことは失礼になることも多いし、政治や宗教だとかえって仲が悪くなることもありますが、天気ならまったく問題ないです。
だから日本人はひたすら
「暑くなりましたね」
「寒くなりましたね」
「今日はいい天気ですね」
とわかりきったことを言います。
これは相手に「そうですね」と言わせるためです。
なので否定してはいけません。
もし「去年の方がもっと暑かったです」と言いたい場合でも、まずは「そうですね」と言います。
そしてできるのなら、
「そうですね、でも去年に比べたらまだマシですね」
のように肯定的に返すと喜ばれます。
日本人の雑談文化が生まれた理由には諸説あります。
・欧米のようなハグの文化がないので、親しくなるために会話が必要
・昔日本は村社会で、村の全員が知り合いだった。知らない人が自分の周囲にいると不安なので話をして知り合いにする。
仕事でもレッスンでも、とにかく最初は雑談から入ります。
雑談をしないままだといつまでも距離が縮まりません。
「私は距離を縮めなくていい!」と言う人もいると思いますが、
仕事で失敗したときの印象が全然違います。
距離が遠いまま「有能だと思っていたのに、迷惑をかけられた」
距離が近い「有能だと思っていたのに、可愛いところもあるんだ」
なので親しくなっておいて絶対損はありません。