日本語は短ければ短いほどいいんです。
どんなに文法が正しくても、いつまでも結論がわからない長い文は嫌われます。
そのため言わなくてもわかる、省略できる部分はできる限り省略します。
例えば、
「こないだのテストは、私は英語も国語も数学も全部できなくて、きっと赤点をとってしまうと思う」
という文は
「きっと全部赤点だ」
にまで省略できます。
ではどうして省略されたのかについて説明しましょう。
こないだ=テストなので何もいわなければ直近のものだと思う
テスト=赤点があるから「テスト」は言わなくてもわかる
私=日本人は「わたし」はほとんど言わない
英語も国語も数学も=「全部」があるからそれぞれの細かい部分は言わなくてもわかる
できなくて=「赤点」があるので「できなかった」に決まっている
とってしまう=「赤点」があるので言わなくてもわかる
思う=「きっと」があるので推測なのはわかる
では問題です。短くしてみましょう!
1 あのレストランの前には人がたくさん並んでいます。
2 もしあなたが今日の夜時間があったら、私たちは一緒にお酒を飲みに行きませんか?
<答え>
1 あのレストランは並んでいます。
牛や馬が並んでいるわけはないので「人」も省略可。並ぶといったら大勢に決まっているので「たくさん」も省略可。
2 今晩時間があったら、飲みに行きませんか?
「あなた」はもちろん要りません。「~ませんか」があるので「わたしたち」も「一緒に」も省略できます。日本人にとって「飲む」のは「お酒」に決まっているのでお酒も省略可。
話が長いとこう思われます。
・相槌が挟めない
日本語の会話は二人で作るのに、一人で延々と話すのはNG
・「わたしのこと、バカだと思ってる?」
日本人も子どもやお年寄りにはわかりやすく省略しないで話します。
なので話が長いと「相手の理解力がない」と思っていることになります。
・なんの話だったか忘れた
日本語は動詞が最後に来るので、あまりに長いと最初の部分を忘れてしまいます。
それに日本語は言葉以外でいろいろなことを伝えます。
表情、目線、口調、仕草・・・言葉の部分は3割程度です。
だから日本人は電話がすごく苦手です。
どの部分を省略できるか理解するにはとにかくひたすら練習するしかありません。
日本の子どもは小学校でまず「文を短く話す」という練習をします。
うまく話せるようになるのは3年生くらいから、それまでは長くてわかりにくい文を話しています。
日本人でも2年はかかるんです。焦らず気長に覚えていきましょう
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