カフェトーク[Cafetalk]｜いつもの生活に世界のスパイスを

View: 261 | 2024年12月4日

Keisuke.H

I was a bocchi.71 さらば青春オブザーバー

最古の記憶を辿ると、いつも独りだった気がする。孤独の中で、欠けたピースを探していた。でも、何が足りなかったのかは、結局わからないままだ。回想してみると、不思議なことに僕は独りではなかった。...

View: 282 | 2024年11月29日

Keisuke.H

I was a bocchi.70 仰げば尊し、サッカーフィールド

オイクボがサッカー部の練習に顔を出したことは、一度もなかった。職員室の隅で眉間にしわを寄せ、黙々と書類に向き合うばかりだった。「顧問なのに、なんで見に来ないんだよ？」僕たちはそんな不満をぶつけ...

View: 274 | 2024年11月28日

Keisuke.H

I was a bocchi.69 先生ごめん、僕は止まれない！

両親、先生、塾講師。僕の周りの大人たちは全員「敵軍」だった。口を揃えて「勉強しろ！」と言うだけで、やる気を削ぐ才能に満ちていた。そんな中、僕は謎の反抗心を燃やし、部屋に隔離されようが居残りさ...

View: 287 | 2024年11月27日

Keisuke.H

I was a bocchi.68 ケイスケ王国独裁記

頭がキレる人を学年委員長や生徒会長にしてはいけない。これが僕の学年の結論だった。努力家のイシザキは生徒会副会長になり、学年トップの才女オトキタさんが生徒会長に選ばれた。僕は学年やクラスで好き...

View: 305 | 2024年11月26日

Keisuke.H

I was a bocchi.67 蛍の光と琵琶法師

僕は熱しやすく冷めやすい性格で、記憶にも同じ特徴があった。短期記憶には自信があるが、長期記憶はからっきしだ。特に日本史ではその傾向が顕著で、テスト前の休憩時間が僕の「記憶のゴールデンタイム」だ...

View: 254 | 2024年11月25日

Keisuke.H

I was a bocchi.66 旅人の影

読書が苦手だった。同じ本をローテーションするだけで、夏休みの読書感想文は毎回締切間際に仕上げる。国語の問題文すら読むのが面倒で、普段の読書習慣のなさが如実に表れていた。母は何度も読書を...

View: 266 | 2024年11月24日

Keisuke.H

I was a bocchi.65 交わらない証明

学習塾では不貞寝が日常だった僕だが、数学の授業で記憶に残っている「平行線の証明」というテーマがある。その日は珍しく起きていたし、学校の授業での出来事が関係していたからだ。学校の授業は塾より...

View: 282 | 2024年11月23日

Keisuke.H

I was a bocchi.64 暖かい場所

僕は中学生の頃、保健室に行くことが多かった。保健室登校ではなく、怪我や体調不良でお世話になっていた。素直になれない時期だったけれど、保健室だけは特別な場所だった。保健室の先生はいつも「よく...

View: 352 | 2024年11月22日

Keisuke.H

I was a bocchi.63 幻のゴール

僕のような運動音痴がベンチ入りするほどの人材不足。そんなサッカー部が強いわけがない。夏休みも、塾の講習を理由に練習を休んだ僕にとって、中学生最後の大会への熱意など皆無だった。だが、大会当...

View: 241 | 2024年11月21日

Keisuke.H

I was a bocchi.62 しんかい1.4

僕は泳げない。何度かスイミングスクールに通ったものの、水への恐怖心は克服できなかった。そもそも浮き方がわからないのだ。「力を抜けば浮くよ」とコーチは言うが、その通りにしても沈む。たった水...

View: 282 | 2024年11月20日

Keisuke.H

I was a bocchi.61 青春のゼロ

授業中、眠気に負けることが多かった僕だが、実技科目だけはそうはいかなかった。移動教室があるおかげで、居眠りし続けるわけにはいかなかったのだ。美術では未完成の作品を残し、音楽では楽譜が読め...

View: 363 | 2024年11月19日

Keisuke.H

I was a bocchi.60 消えた世界

母が「教育ママ」という名のラスボスだったせいで、我が家のゲーム環境はファミコン1台のみ。「時代に取り残される」という状態異常を喰らい、ポケモンやたまごっちが流行している中、僕はそれらに触れる...

View: 292 | 2024年11月18日

Keisuke.H

I was a bocchi.59 チバ君と謎のマヤ

模試でチバ君と再会し、連絡先を交換した。成績は僕とチバ君で雲泥の差だったため、一緒に塾の授業を受けるなんてことは一度もなかった。話は進むうちにチバ君が転校前の知り合いについて語りだした。 ...

View: 259 | 2024年11月17日

Keisuke.H

I was a bocchi.58 塾睡（じゅくすい）

「どうしてそんなに不真面目なんだ！」親が言うたびに僕は思った。実業高校出身の父に真面目がどうこう言う資格はない。学校なんて給食さえ食べられれば十分で、授業中は机に突っ伏して夢の中。テス...

View: 253 | 2024年11月16日

Keisuke.H

I was a bocchi.57 雪合戦が終わるとき

冬の楽しみと言えば雪合戦だ。僕たち男子は、雪を見ると犬のようにテンションが上がり、挨拶代わりに雪玉を投げ合った。防寒のダッフルコートも何のその、雪玉の命中率だけはプロ級だった。そんな冬、...

View: 225 | 2024年11月15日

Keisuke.H

I was a bocchi.56 ゴー・ウェスト

あれは、秋の陽射しがやわらかく田舎道を照らしていた頃のことだ。僕、オックン、ショウゴ、アンチャンの4人は、ママチャリにまたがり、まだ見ぬ冒険の香りに誘われて出発した。片道25km、キャンプ場で...

View: 258 | 2024年11月14日

Keisuke.H

I was a bocchi.55 窓を眺めて完全に

僕の学校生活は「勉強」よりも「昼寝」だったようだ。後ろの席から見えるのは、先生の顔ではなく窓からの景色。前で必死に教える先生を横目に、僕は頭をそっと机に預け、視界を曇らせ、スゥと夢の世界へと...

View: 215 | 2024年11月13日

Keisuke.H

I was a bocchi.54 ファーストキス

『赤い実はじけた』ほどドラマチックではなかったけれど、あの頃、僕にも突然のモテ期が訪れていた。意を決して手紙で告白すると、思いがけず「いいよ」という返事が届いた。直接伝えられない自分が少し情け...

View: 242 | 2024年11月12日

Keisuke.H

I was a bocchi.53 馬車馬のごとく

サッカー部にいた僕は、当初から部のやり方には疑問を感じていた。練習試合も地区大会も、いつも結果は惨敗で、それを改善しようとする雰囲気もない。ただひたすら、同じメニューを毎日繰り返すだけ。部員...

View: 246 | 2024年11月11日

Keisuke.H

I was a bocchi.52 技術補佐ゲームのち雷

中学時代、僕は前期だけ学年委員長をやっていた。後期は他の誰かに委員長を任せるルールがあったので、後期は目立たずのんびり過ごそうと決めていた。ところが、文化祭の大道具係での働きを見た技術の先生が...

View: 269 | 2024年11月10日

Keisuke.H

I was a bocchi.51 大道具部隊の経験値

僕の通っていた中学校では、毎年秋になると文化祭が開かれていた。展示用の絵画は提出が義務だったんだけど、絵の仕上がりが遅れていた僕は締切に間に合わず、半分しか描けていないスカスカのキャンバスを展...

View: 351 | 2024年11月10日

Keisuke.H

I was a bocchi.50 爆走男アンチャン

中学生になって、初めて同じクラスになる人がたくさんいて、僕にはそれがどこか不思議な感覚だった。小学校では2年に1度しかクラス替えがなかったから、なんとなく新鮮で、少しだけ胸が高鳴った。でも、...

View: 372 | 2024年11月9日

Keisuke.H

I was a bocchi.49 ショウゴの恋

1学年80人、2クラスの小さな中学校。先輩後輩の関わりは生徒会や部活に限られていたので、恋愛対象はほぼ同級生オンリー。中学生にとって、恋愛の倍率はかなり高かった。さらに、誰が誰を好きかは目ま...

View: 458 | 2024年11月7日

Keisuke.H

I was a bocchi.48 横浜モーニングリバー

中学生になって一番の驚きは、科目ごとに先生が違うことだった。職員室に行けば、理科専門、音楽専門、保健体育専門と、各担当が並んでいる。教科に応じて理科室に移動するのも日常の一環になった。その...

View: 269 | 2024年11月6日

Keisuke.H

I was a bocchi.47 父のティッシュ

中学生になって初めてのテストで、80人中6位だった。悔しさなんて感じることもなく、「ああ、自分はこんなもんだな」と早々に割り切っていた。国語の漢字問題で絵画を「えが」と書いて出した時点で、ト...

View: 318 | 2024年11月5日

Keisuke.H

I was a bocchi.46 強制の学年委員長

中学に入ってすぐのクラス会で、学級委員を決めることになった。その場では、面倒ごとには関わらないぞと決めて、ひたすら存在を消していたつもりだったが、気づけば「学級委員長に推薦します！」という声が...

View: 336 | 2024年11月4日

Keisuke.H

I was a bocchi.45 NOボウズ

小学生だった僕に、カオリねえちゃんはよく言った。「中学校は男子全員ボウズだからね」何度も繰り返されるうちに、それは恐怖になっていった。僕の記憶が確かなら、カオリねえちゃんはオカッパだった気がす...

View: 949 | 2024年7月22日

Keisuke.H

I was a bocchi.㊹さようならランドセル

中学校の体験入学があった。体験入学と言ってもテスト受けただけ。２人が転校するだけで、１学年の８０人はエスカレーター式に繰り上がるだけだった。進学というより進級という感覚だった。「またこ...

View: 979 | 2024年7月20日

Keisuke.H

I was a bocchi.㊸真冬のスパルタスケート

転校してきた頃はスケートをやったことがなかった。ホッケー靴の靴紐も結べないレベルだった。手袋を脱ぐと寒くて指が上手く動かなくなる。スケート大会の前に父は僕に靴紐の結び方を教えた。初めてのリン...

View: 974 | 2024年7月19日

Keisuke.H

I was a bocchi.㊷嫌いだった夏休み

夏休みいえば大量の宿題。僕は毎日努力をしないから日記に苦戦した。夏休みが一ヶ月近くあるから、終了三日前に毎日分を書かなければいけない。一ヶ月前の天気も内容も覚えているわけがない。仕方なく新...

いつもの生活に世界のスパイスを。

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２０２４年もありがとうございました！

3年半の間、本当にありがとうございました。

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I was a bocchi.71 さらば青春オブザーバー

I was a bocchi.70 仰げば尊し、サッカーフィールド

I was a bocchi.69 先生ごめん、僕は止まれない！

I was a bocchi.68 ケイスケ王国独裁記

I was a bocchi.67 蛍の光と琵琶法師

I was a bocchi.66 旅人の影

I was a bocchi.65 交わらない証明

I was a bocchi.64 暖かい場所

I was a bocchi.63 幻のゴール

I was a bocchi.62 しんかい1.4

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I was a bocchi.60 消えた世界

I was a bocchi.59 チバ君と謎のマヤ

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I was a bocchi.57 雪合戦が終わるとき

I was a bocchi.56 ゴー・ウェスト

I was a bocchi.55 窓を眺めて完全に

I was a bocchi.54 ファーストキス

I was a bocchi.53 馬車馬のごとく

I was a bocchi.52 技術補佐ゲームのち雷

I was a bocchi.51 大道具部隊の経験値

I was a bocchi.50 爆走男アンチャン

I was a bocchi.49 ショウゴの恋

I was a bocchi.48 横浜モーニングリバー

I was a bocchi.47 父のティッシュ

I was a bocchi.46 強制の学年委員長

I was a bocchi.45 NOボウズ

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