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Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 講師のコラム

I was a bocchi.52 技術補佐ゲームのち雷

2024年11月11日

中学時代、僕は前期だけ学年委員長をやっていた。
後期は他の誰かに委員長を任せるルールがあったので、
後期は目立たずのんびり過ごそうと決めていた。
ところが、文化祭の大道具係での働きを見た技術の先生が
「人数が足りないから、技術補佐の仕事を手伝ってくれないか?」と頼んできたのだ。
 
アンチャンと二人で、パソコン室の作業に取り掛かることになった。
当時はまだ珍しかった大きなデスクトップパソコンの配置換えや、
古いフロッピーディスクの整理といった地味な作業が多かった。
アンチャンはパソコンが苦手だったので、
僕が先生から仕事を聞いてから、彼に説明することもしばしば。
それでも、彼は文句を言うわけでもなく、淡々と力仕事をこなしてくれた。
 
アンチャンは時々、「早くサッカーしたいな」と漏らすこともあった。
僕は逆に部活のサボり理由ができて少し嬉しかったので、
彼のぶつぶつ言う姿が、ちょっと面白かった。
 
ある日の放課後、仕事が終わって僕たちはついゲームを始めてしまっていた。
その時、急にドアが開いて、オイクボが入ってきた。
アンチャンはさっと画面を閉じたけど、
僕は間に合わず、ゲーム画面がそのまま。
オイクボが「おお、しっかり仕事してるな!」
と褒めるような口調で肩を叩いた直後、
「ケイスケ、お前ゲームしてるじゃないか!」と一喝され、
部活に急いで来いと言われてしまった。
 
「アンチャン、悪いな」と謝ると、
彼は肩を軽くすくめて「良いってことよ」と返してくれた。
特別かっこいいわけじゃないけど、
その一言がやけに頼もしく感じられて、
夕焼けの廊下に、あのときのアンチャンの柔らかな笑顔が浮かんだ。

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