いつもの生活に世界のスパイスを。

Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 講師のコラム

I was a bocchi.57 雪合戦が終わるとき

2024年11月16日

冬の楽しみと言えば雪合戦だ。
僕たち男子は、雪を見ると犬のようにテンションが上がり、
挨拶代わりに雪玉を投げ合った。
防寒のダッフルコートも何のその、雪玉の命中率だけはプロ級だった。
 
そんな冬、僕たちの男子力を試す「我慢大会」が開催された。
ルールは簡単、学生服の下をTシャツ一枚でどれだけ耐えられるかを競うのだ。
結果、最後まで残ったのは僕とイシザキ。
ブルブル震えながらも「お前ら厚着してヘタレかよ!」と勝者の余裕を見せた。
いや、震えで歯がガチガチ鳴ってただけかもしれない。
 
そんなある日、学校が昼で終わった。
僕とイシザキ、そしてアンチャンは、通学路で雪玉を投げ合いながら帰っていた。
真昼間の平和な住宅街で何をやってるんだという話だが、
そこに近所のおじいさんが現れる。
道を掃除していたのか、僕たちの戦場を堂々と横切った。
 
その時、成績優秀で礼儀正しいオオイシさんが通りかかり、
「すみません。邪魔ですよね」と優しくおじいさんに声をかけた。
おじいさんも笑顔で「良いよ、良いよ」と答える。
なんだ、このほのぼのした世界。
 
しかし、そこで僕が調子に乗ったのが運の尽きだった。
「このくらい良いですよね!」とノリノリで声をかけたら、
さっきまで笑顔だったおじいさんの顔が一変。
「良いってことがあるか!」
突然のキレッキレの怒号に、僕たちは一瞬で凍りついた。
いや、正確には雪合戦で冷えてただけかもしれないけど、衝撃的だった。
 
それ以来、僕はあのおじいさんを許していない。
いや、別に何かされたわけじゃないけど、あの変わり身の速さだけはトラウマ級だ。
冬の寒さよりも、あの「良いってことがあるか!」が僕の心に今も突き刺さっている。
 
みなさんも冬の遊びには気をつけよう。特に近所の老人の反応には要注意だ。

お気軽にご質問ください!