「ジャズって歌ってみたいけど、難しいんでしょ?」
「楽器を弾けないとジャズを歌うのは無理なんでしょ?」
「あのスキャットっていうの、何を歌っているのか分かりません」
・・・こんな思い込みってよくありますよね。
実は、ジャズは「遊び心」の音楽です。
ジャズボーカルも同様で、「遊び心」で出来ています。
普通のコードを弾かない、普通のリズムを叩かない、
普通のメロディを歌わない、普通に曲を終わらせない。
一回切りの、その場の「遊び心」の音楽。
だから一緒に遊んでいると楽しい。
小さな子供の頃って、よちよち歩いて、前に進むだけで楽しいし、
歩くにつれて周りの景色がどんどん変わるのが楽しい。
テレビで聴いたCMソングをでたらめに歌っても楽しいし、
自分で勝手に歌詞を付けたオリジナルソングをでたらめに歌っても楽しい。
でも、みんないつしか賢くなってしまって、
大人が「こういう風に歌わなきゃダメ」とか言うのを真面目に聞いてしまうようになる。
「正確に歌わなきゃ」「うまく歌わなきゃ」とがんじがらめに・・・。
「遊び心」はどこへ行ってしまったの?
しかし!
何も考えずに散歩している時とか、ふと「鼻歌」が出てしまいますよね。
昔聴いた曲なのか、最近聴いた曲なのか。
歌い出し部分だけとか、サビ部分だけとかを繰り返し。
「鼻歌」を「うまく歌わなきゃ」なんて考えないですよね。
誰かに聴かせるものじゃなく、無意識に自分が気分良くなるだけ。
ジャズボーカルの究極のゴールはそれだと思います。
たくさん練習したとか、有名なセンセイに習ったとか、音楽理論を勉強したとか、
そういう過程はすっ飛ばして、リスナーの前でどれだけ「遊び心」を表現出来るか。
どこかで聴いたジャズをいつの間にか鼻歌でハミングしているのに気がついたら、
ジャズボーカルを始めてみましょう!