99年留学留学記 ⑦99年エンタメ事情
前述のとおり、今のようにK-POP、Kドラマなんて日本で流行っていなかった頃の
韓国のエンタメはどうだったのでしょう。ちょっと気になりませんか?
時代はIMF金融危機後。私が留学した当初流行っていたのは、H.O.Tとかソテジとか。
男子学生にはアイドルの髪型を真似して、サイドは短めなのに、両サイドの一束ずつを虫の触覚のようにたらりと長く垂らすヘアスタイルが流行っていました。※ドラマ『賢い医師生活』でのイクチュンの学生時代のヘアスタイルがまさにそれです。
留学してすぐの頃に、よく町で流れていて印象的だったのはG.O.D(ジーオーディー)の「어머님께(お母さんへ)」でした。♪子供の頃からうちは貧しくて 皆が食べてるジャジャン麺も食べられなかった 母さんにねだってねだって、そしたら母さんはジャジャン麺の出前を頼んでくれた 一つだけ 母さんはジャジャン麺が嫌いなんだと言った♪ と、こんな歌でした。貧困と母がテーマなんです。
その後ハンスバンドの「오락실(ゲームセンター)」という歌が流行りました。失業した父親がそのことを家族に言えず、出勤するふりをしてゲームセンターや公園に溢れていた時代に、ゲームセンターで父親と遭遇した女子学生目線で「お父さんも会社に行きたくないときがあるのかな。家に帰れば母さんの小言。息も詰まるよね」と歌っていました。”大衆文化は世相を反映する”。朝鮮近代史の授業で教授がこの歌を例に挙げて
教えてくれました。分かり易い。
99年当時、韓国で話題になっていた日本の本がありまして、『우동 한 그릇』(うどん一杯)。
原題はなんと『一杯のかけそば』。留学してすぐの頃に日本人だと言ったら「『우동 한 그릇』(うどん一杯)알아요? 知ってる?」とよく聞かれました。一杯をわけあって食べる貧しい親子の話に、当時の韓国人学生はとても興味を持っていたようでした。私は、タイトルの うどん が気になって、うどんと そば だと、印象が違うんだけどな、、と日本人的に些細なことが気になったのを覚えていますが、本当に皆さんそのお話に興味を持っておられましたよ。
貧困と親の愛というのは万国共通の普遍のテーマなんでしょうね~。
エンタメと言いつつ、エンタメから少々離れてしまいました(元々苦手分野なもので・・)。
音楽は他に、SESやコヨーテ、コンチュリコッコ、っていう歌手もいました。クールとか、
神話も大人気でした。
グループが多い印象でしたがソロでも人気の歌手はいまして、チョ・ソンモ、
シン・スンフン、ヤンパやオム・ジョンフア。今とは違う90年代K-POPも
どことなく懐かしい雰囲気のメロディですが、そんな時代背景を知りつつ歌詞に注目して見ると
また違った面白さがあります。是非当時の韓国の状況を振り返りつつ、
90年代後半のK-POPに触れてみてください。
次回はドラマと映画について書きたいと思います。