小学校1年生の国語の教科書にはたいてい「おむすびころりん」が載っている。
おむすびを穴に落としたおじいさんが、自身も穴に落ちて、ねずみから小槌をもらう話だ。
主人公はおじいさん。
さて、このおじいさんはどんなおじいさんなのだろうか。
文中にはどんなおじいさんかは一言も書かれてはいない。
・休んでいるから働き者ではないおじいさん。・歌に合わせて踊っているからなまけもののおじいさん。・・・
・山の畑まで行っているから怠け者ではない。・畑を耕しているから働き者。・・・
文中には「おなかがすいたおじいさん」とある。
おじいさんはどうしておなかがすいたのだろうか。
そのわけを考えてみることでおじいさん像がだんだん確立されていく。
また、おじいさんが持っているおむすびはだれが作ったのかも考えてみる。
そしてどんな気持ちでそのおむすびを握ったのかを想像してみる。
この教材は音読練習にもってこいで短い話だが、話の内容を理解するだけではなく、この話を読んで、「どんなおじいさんなのだろう」また「おばあさんはおじいさんのことをどう思っているのだろう」など、自分自身で想像を膨らまさせていくことができる、そんな子どもたちを育てていきたいと思う。