幼児、小学生の自己表現、ストレス発散方法についてのコラムの続きです。小学校の2年生か3年生くらいからでしょうか。「先生あのねノート」なるものを用意することがあります。
字形や文章の決まりの学習とは切り離して、好きなことを書いてもらいますが、飛躍的に作文力がのびることもあります。
しかし何下準備もなく突然ノートに文章が書けるようになるわけではありません。では、、好きなことを書けるようになるまで、どんなことにとりくんで行けば良いのでしょうか。
以前、 お子さまの気持ちを明るく前向きにするお話の聞き方にはコツがあると話しましたが、、
私は、先生あのねノートの前段階として、「今日の復習」「一言日記」というものをおすすめしています。
今日の復習は、毎日、帰宅後か就寝前、時間割り、明日の用意の時間に、お子さまのお話を聞く時間を作るということです。
この時、「一番楽しかったこと」「嬉しかったこと」「気になったこと」「困ったこと」等尋ねるわけですが、、意外と大切なのは、この順番です。「楽しかったこと」など、肯定的な事柄から始めましょう。
人間は、問いかけられると答えを探そうとする生き物です。すぐに効果はあがりませんが、定期的に声をかけることで、「楽しい」「嬉しい」などの肯定的な感情を探そうとする習慣がつきます。
保育者や保護者はついつい心配のあまり困ってないか、助けられないか、失敗しなかったかということに心をうばわれがちですし、大人や大きな子はそれで良いときもあるかもしれません。
でも、小さなお子さまは、嬉しいことや楽しいことも1つ1つ学んでいるところです。保育者や保護者と積極的に肯定的な事柄や感情を共有、ラベル付けることで、楽しむ意欲を育むことができます。お話するのが難しければ、「一番好きな授業」「一番おいしかった食べ物」「忘れ物持ち物で困ったこと」など、課題をしぼってみても良いかもしれません。
これは私の個人的な決め事ですが、私は、必ず「ありがとうみつかった??」と聞くことにしてます。自分が言ったときでも、言われた時でも良いです。
実は、一度、ありがとうのことでうそをつかれたことがあります。本当は言えなかったのに、「言った」ことにしてしまったようです。でも、、こんなときは、「なるほど、それも、ありがとうだね。」と、聞いておいて大丈夫かもしれません 。外でも、会話は難しいわけですから、そこ、「ありがとう」と言うところだと、気がつくだけで収穫ではないでしょうか。 言葉にならなくても、相手にも察してもらってるかもしれませんしね。
肯定的な感情を子どもと共有する時間を持つことは、保育者や保護者にとっても、とても大切です。共依存傾向という言葉があります。子どもたちに依存されなくなることを恐れて、無意識に「困った子ども」になるように仕向けてしまったりします。保護者や保育者が一番かからないように気を付けなければならない病ですが、、保護者も保育者も人間ですから、無償の愛というのもいつもいつもは辛くて当然です。
だからこそ、楽しさや嬉しさを共有して築いてきた信頼関係は、親であることや先生であることを支えてくれるのではないでしょうか。
子どもはみんな、自分なりに、周りの期待に応えようとします。大人が共依存傾向に陥ると、その期待に応えようと困った子どもにこじれてしまうということになりか ねません。
大人の方も、いそがしかったり気持ちのゆとりがなかったり、ついつい、「うまくいってるならいいや」となりがちです。そういうときこそ、ハッピーなお話を聞きそびれないように気を付けてあげて下さいね。
ある程度発話できるようになったら、、「一言日記」を今度は書いてもらいます。
これなら、いそがしくても続きそうかな??昔は教室で交換日記等やりましたが、今の子どもたちは、メールでやり取りして、なかなか気持ちについて文章を書く機会がありません。お子さまさと交換日記なんて、なんだかワクワクしませんか?