ミーティングの結果は、日本時間の夜。
カナダ時間の早朝に、K社本部長からの電話が鳴った。
「CW社が受けてくれました。
雇用条件や、ビザ申請の事はこれから話し合って決めていきましょう」
信じられない良い報せだった。
今までの苦悩が、ぱっ!と一瞬でも消えた気がした。
しかし、喜びも束の間
本当の挑戦、戦いはこれから。
CW社で働くためには
カナダ政府、移民局からの労働ビザが発給されなければ無理だった。
ご存じの通り…
わたしのこれまでの、カナダ滞在でのビザ、労働状況は複雑である。
ワーキングホリデービザで日系企業に働き、1年後にはそこで労働ビザを得た。
しかし、取得して数か月後に退職問題で揉めて解雇。
同時に、労働ビザは失効した。
一度、日本に帰国し、K社の駐在・出張社員としてビジター(観光)ビザで入国。
ワーキングホリデービザから労働ビザを狙うよりも
ビジタービザから労働ビザは、とんでも無いハードルの高さである。
前回の労働ビザ申請・取得は雇用主と共に自力でやったものの
今回は、どう考えても複雑過ぎた。
わたしは、トロントの日系新聞の広告掲載で移民コンサルタントや弁護士をチェックし
そこから3件に絞りコンタクトを取った。
その中でいちばん印象が良かったTコンサルタントへ
これまでの事情を詳細に書き記しFAXで送った。
すると先方から、早速電話が掛かって来た。
「一度、事務所にいらしていただけませんか。
それで、決めていただきたいと思います」
男性のコンサルタントT氏は、淡々と愛想の無い低い声でそう言った。
わたしは一瞬迷った。
ハリファックスからトロントは飛行機で2時間半。
往復すると500ドルちょっと。それに宿泊費となると1000ドル超えるかもしれない。
しかし、ここまで来たらどうしようもない!
「行こう!」と瞬時に決めた。
10月初め、わたしは一人トロントに飛んだ。
トロントに到着したその足で、コンサルタント事務所に向かい
コンサルタント会社の代表であるT氏とミーティングを持った。
電話の印象そのものの、淡々とした堅物。
それが、T氏だった。
わたしは今までの状況を改めて説明した。
これから、CW社で労働ビザを申請したい事。
もし、労働ビザが取得出来た後は永住権を申請したい事。
そして、そのどちらの申請に関してもT氏のコンサルタント会社に仕事を依頼したい事。
わたしは、メモに箇条書きにしていった
「今、必要なすべて」をT氏に話した。
すべてを話し終えると、しばらく沈黙の時間が続いた。
T氏は硬い表情を見せ、厳しい視線で私を真っすぐ見ながら語りかけて来た。
「私どもは、誰でも、どんな依頼でも受ける訳ではありません。
申請が通る可能性がある仕事、そう思える物しかお受けしません。
他のコンサルタント事務所では、何でも請け負う
申請プロセスに関しても、違法ギリギリみたいなやり方をするところもあります。
しかし私どもは、そう言う事は一切しません。
本日、伺ったお話で行くと、労働ビザの取得は問題ないと思います。
ただ、私どもが取れるんじゃないかと思っていても、これはToriaさん自身の事なんですよ。
私どもは一所懸命やります。それ以上に、Toriaさんも頑張ってほしい。
そうしないと、取れる物も取れません。
とにかく、正攻法で行きましょう!」
会ったばかりのT氏をわたしはこの瞬間から、信じた。
「正攻法で行く!」
その言葉の力強さが、T氏の誠実さと真剣さ
これからの挑戦、戦いの大変さを物語っていた。
労働ビザと永住権のコンサルタント料
これから申請に掛かる諸経費を計算すると、最低でもカナダドルで1万ドル以上。
一世一代の、自分への投資・買い物を
わたしはしようとしていた。
実際には、ここから労働ビザの申請がスタートするまで半年以上の時間を要した。
まだまだ、カナダへの道は遠い。
しかし、わたしは再び夢を正夢に
夢を叶えるために、歩きはじめた…
miwa 「Delight」(2013)
まだなのかよ! (# ゚Д゚)
どれだけ、引っ張るんじゃい!との、皆さんの声が聞こえて来るようですw
「カナダへの道」は容易に開かれませんのぉ~(-_-;)
それにしても、CW社が雇用を引き受けてくれた事
最良と思えるコンサルタントの出会いは、私にとって光でした。
ここまで、親身に力になってくれたK社。
もう、本当に
私一人の「カナダへの道」ではなくなっていました~続きを読む
TORIA (o ̄∇ ̄)/