再び、カナダに戻ってからのわたしは
カナダに居住、働くためのビザ(査証)、永住権に繋がる情報を探し求めた。
今のように、ググれば! Xを見れば!
情報が出てくる時代ではない。
自分の知る限りでの、知人・友人の情報。
カナダの移民局に聞いても、応じる職員によって答えが違う…答えが曖昧
そんな状況を繰り返していた。
そんな中で、自分で起業をすれば労働ビザを取得出来る!との
嘘か本当かわからぬ情報が知人から舞い込んだ。
真偽のほどはわからないが、一か八か
「自分ひとりの会社を作ろう」と私は友人と共に、登記所に行き
50ドルちょっとの手数料を払って、その日のうちに
TORIAインターナショナルという会社を設立した。
しかし、数日後
“そんなものでは”労働ビザを取得出来ない事を知る。
少なくともカナダ人、カナダ国籍の人間を一人は雇わねばならない。
その他にも、色々な条件付けがあった。
選挙で言う、地盤・看板・カバンではないが
まず、資金が無い。
カナダでの仕事を通しての自分の実績も人脈も無い。
ひとりぼっちの32歳のわたしには、自分の力で労働ビザを取るのは到底無理だった。
空っぽの会社。空っぽのわたし。
何も役に立たない会社を、作ってしまったマヌケなわたし…。
人生ゲームのコマは、振り出しに戻り
何度も同じ景色を見るような思いがした。
自分だけが、ずっと同じところに 立ち尽くしている。
残る道は、K社の全面サポートを得て労働ビザを取得する事しかない。
ところが、ここにも壁があった。
K社で労働ビザを取得するには、カナダの現地法人が必要なのだ。
そして、労働ビザをその会社で出そうとするならば…
わたしが会社を作った時にわかったように
カナダ人雇用がまず必要だった。
どう考えても、とてつもないお金が掛かる。
わたしの労働ビザのためだけに、K社が現地法人を設立する事は考えられない。
それでも、ここまで来たら相談するしかない。
場合によっては、もう
ここで道は途絶えるかもしれない。
その覚悟で、わたしはK社の本部長に相談をした…
オフコース「思いのままに」(1979)
なんと! 本当に偶然にも
今から23年前の今日、私はその「空っぽ」の役に立たない会社を
立ち上げたのですよ(〃艸〃)フッ
母に「会社を作ったよ」と報告すると、カナダでひとり頑張る娘が
すこしは前進している気がしたのでしょうか…
それとも、私を元気づけようとしていたのでしょうか…。
母は、すごく喜んでいました。
しかし、喜びも束の間、まさにペーパーカンパニーを作ってしまっただけの
マヌケな32歳・女子・Toria。
さて、どうなる…どうする…~続きを読む