そして東京都と千葉県の間には江戸川という大きい川が流れています。
今回ご紹介するのは、この江戸川沿いの土手(どて)にある市川の関所跡(せきしょあと)です。
〝関所〟というのは、他の地域に入る人々の持ち物をチェックしたり、通行税を取ったりしたところです。
江戸時代の日本は、中央で幕府(ばくふ 昔の政府機関のようなもの)が支配していて、人々が他の地域に移動するのを厳しく制限していました。
今でも外国へ行ったら空港でパスポートのチェックなど、まず入国審査を受けなければなりませ。関所はそれと同じような役割を果たしていました。
江戸時代には全国に53ヶ所の関所があり、その一つが市川市の江戸川沿いにあったんです。
現在、江戸川には江戸川橋をはじめ、大きい橋がいくつか架(か)かっているし、JR総武線などの電車も通っているので、東京と千葉の行き来はそんなに大変じゃありません。
しかし昔は千葉から東京、というより下総国(しもうさこく)から江戸に船で渡る時、危険物は持っていないか、どうして江戸に入るのか、など、この場所で厳しく調べられたそうです。
やはり江戸はこの時代の政治の中心地。
幕府は常にテロや反乱を警戒していたのでしょう。
ちなみに下総国とは、市川市を含む千葉県北部の昔の名前です。
現在、関所の建物自体は失われ、この記念碑(きねんひ)が立っているだけです。
そしてご覧のように遊歩道が整備され、江戸川を眺めながら散歩やジョギングが楽しめるようになっています。
また、反対側には江戸川橋と、わずかですがスカイツリーも遠くに見えます。わかりますか?
本当にのどかなところですよ。
近代化により町の様子はどんどん変わっていますが、町を歩くとき、ちょっと注意して周りを見てみると、昔を偲(しの)ばせるものは意外にまだ残っていると思います。
みなさんが住んでいる町はどうですか。
もし機会があったら、レッスンのとき、ぜひ話してください。
今回も最後まで読んでくださいまして本当にありがとうございました。
次回のコラムをお楽しみに!