このコラムでは、私が住んでいる町・市川の名所をご紹介しています。
でも今回はみなさんを市川のとても怖いところにご案内します。
場所は市川市のだいたい真ん中に位置する本八幡(もとやわた)という所で、
東京から30分ほどで来られます。
すぐ近くには市川市役所やJR総武線・本八幡駅があります。
人がたくさん住んでいるまさに大都会の一角に、写真の小さな森があります。
広さは約1000平方メートルで、学校の体育館と同じくらいの広さです。
正面には国道が走っていて、周りには大小さまざまな建物が立っています。
先ほど「小さな森」と書きましたが、向こう側が見えないくらい木や草が
密集しているところは「藪(やぶ)」といいます。
ところで、みなさんの中に、この藪の中に入ってみたいと思った人はいませんか。
悪いことは言いません。それは絶対にやめてください。
なぜなら、この藪には「一度入ったら、二度と出られない」という噂(うわさ)があるからです!
出口はわからない、入ったらどうなっても知らない、ということでしょうか。
この藪は、「八幡(やわた)の藪(やぶ)知らず」と呼ばれています。
その理由はいくつかありますが、一つは平将門(たいらのまさかど)の墓があったとする説。
平将門は平安時代の有名な武将で、朝廷(当時の政府機関)に対して反乱を起こしました。
しかし反乱は失敗し、将門は死んだ後も怨霊(おんりょう)となって、
日本各地に災(わざわ)いをもたらしていると言われています。
他にもここには昔、底なし沼があったとする説、太古の昔、ここである宗教儀式が行なわれていたとする説もありますが、正確なことはわかっていません。
さて、この藪をもっと近くから見てみましょう。
人が立ち入ってはいけない神域なので、もちろん入り口はありません。
その代わり、鳥居(とりい)が立っています。
鳥居は、神様の世界と人間の世界を分ける門です。
その奥には祠(ほこら)も見えますね。
祠はコラム「曽谷の伝説」で紹介しました。
ミニ神社のようなものです。
また、中を見ると、竹がたくさん茂(しげ)っているのがわかります。
しかし、もともとここに竹は全然生えていなかったそうです。
ここ数十年の間にどんどん増えてしまったとのことです。
この藪を管理しているのは葛飾八幡宮という近くにある大きい神社ですが、
その関係者によると、増えすぎた竹を伐採したくても、専門の伐採業者がなかなか見つからないそうです。
どの業者も中に入るのを怖がっているんですね。
すぐ隣には駐輪場やビルが立っています。
まさに大都会の一角にあるミステリースポットです。
いかがでしたか。
みなさんの中には旅行や出張で東京を訪れる方も大勢いらっしゃると思います。
その際、よかったら、ここは東京から近いので、
ちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
私も時間があればご案内します。
でも、もう一度言います。
中には入らないでくださいね!
今回も最後まで読んでくださいまして本当にありがとうございました。
みなさんが住んでいる町にも、今回ご紹介したようなミステリースポットはありますか。
また、何かご感想があったら、ぜひレッスンのときに聞かせてください。
リクエスト、お待ちしております。
次回のコラムもお楽しみに!