- *カナダへの道【前半】を読む
- *いざ!カナダへ⑬
- *想像と現実⑭
- *未知なる道へ⑮
- *でこぼこ道を歩き始める⑯
- *落ちぶれた、わたし⑰
- *転んでも。⑱
- *大海へぶち込まれる⑲
- *壊れていく、わたし⑳
- *復縁、それとも~㉑
- *絶望の淵㉒
- *サヨナラを力に㉓
ワーキングホリデービザでカナダにやって来て1年9か月。
やっと手にした労働ビザが、一夜にして紙くずとなった。
日系企業を解雇になったわたしは、働くためのビザは無く
今や、無職の外国人。
まず、わたしがした事と言えば
近隣の同業者で、重鎮と言われるO氏に挨拶に行く事だった。
彼とはほとんど面識が無かった。
だが、変に業界内で噂話をされるのも面倒で
わたしは自ら退職に至る顛末を説明しに出向いた。
金も地位も、ましてやカナダに滞在するためのビザも無いわたしの話は
O氏にとってはかっこうの面白可笑しいドタバタ騒ぎ。
それからと言うもの、わたしは恐くて外を歩けなくなった。
ブラックと言える、クビになった会社の社長やスタッフと何処かでバッタリと出くわすのが恐い。
そして、面白可笑しく噂話をしているであろう
“ここの町に暮らす日本人”と顔を合わせたくない。
唯一、わたしの味方になってくれたのは
わたしをカナダで公私ともに支えてくれるS夫妻
カナダCW社のホッキ貝工場の工場長
そして、あの夜の騒動の発端
FAXを送り間違えてしまった、日本の取引先K社のスタッフ。
もう、カナダで私に残された道は無かった。
2000年12月26日
わたしは、一度
日本に帰国する事にした。
住んでいたアパートメントの部屋はそのままで。
それは、私の夢や希望は終わっていない。
また、必ず戻って来るとの
わたしの小さな小さな抵抗だった。
わたしのカナダへの道は、一旦ここで途絶えた。
戻ってきたい、戻って来る。そんな気持ちの一方
わたしはこっそりと、呟いていた。
さよならカナダ!…
Bonnie Pink「冷たい雨」(2012)
自分を取り巻く状況や環境、人々。
すべてが自分から背を向けているように感じた、この頃。
「味方は少なし、敵多し」
カナダに背を向け、日本に帰国した私。
時代は、あと数日で
20世紀から21世紀へ。
TORIA 31歳10か月
カナダへの道は、ここで途絶えるのか
それとも世紀の大逆転に向けて歩みだすのか~続きを読む
TORIA (o ̄∇ ̄)/