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Cafetalk Tutor's Column

Toria 讲师的专栏

サヨナラを力に~カナダへの道㉓

2023年7月29日

狂ったように部屋のドアを叩き、怒鳴り続ける社長を制止するには
ドアを開けるしかなかった。

「殺されるかもしれない…」
社長のものすごい剣幕、わたしはドアを開いても声が出てこなかった。

「ただ辞めるだけかと思っていたら
おまえ、コソコソ陰で何やってんだよ!
人を馬鹿にしやがって。
今すぐ、クビだ! たった今、ここでクビだ!!」 

社長は、吐き捨てるようにそう言って部屋を出て行った。

それだけだと思っていた。
ところが、社長は
その足で、私の親代わりである親友のS夫妻の家に行き
これまた、すごい剣幕で文句を言った。

Toriaが会社を辞めようとする、この顛末を知っていたんだろう!」

深夜1時過ぎの出来事である。
S
夫妻にしたら、驚いた!なんていう一言で済まないくらい
これまた怖かったはずだ。

わたしは、社長が帰った後
体が震え、声を出して大泣きした。
そして、カナダに来てから初めて
泣きながら、母に電話をした。

カナダの深夜、日本は昼過ぎ。
そんな時間に娘から
Toriaから電話がある自体、普通ではないと察したであろう。
わたしは泣きながら、事の次第を途切れ途切れに話した。

母は優しかった。ずっと、黙って
電話の向こうで話を聞いてくれた。
こんな有り様では
きっと、日本にすぐに帰ってこいと言われるだろうと思っていた。
ところが、母の言葉は意外だった。

Toriaちゃん、いよいよだね。負けてられないね。これからだね。
でも、泣いて少し落ち着いたら、一旦帰ってきたらいい」 

母に受け止めてもらい、わたしはすこし落ち着いた。 

それから、3日後
わたしは離職票を受け取るため、オフィスを訪ね
社長と顔を合わせた。
 
社長は落ち着いて見えたものの、明らかに私に対する憎しみが見えた。

わたしが、カナダに来た目的
カナダの永住権を取得し、あこがれのCW社に入社したい!という事を
社長は知っている。

社長と話すことは、もう何もなかった。
だが、彼は最後に吐き捨てるように私に言葉を投げつけた。 

「おまえが! 英語もろくに出来ないおまえなんかが
CW社に入れるわけがないだろうが! その姿、見ててやるからな」 

悔しかった。
言われても当然すぎる事を言われて、悔しかった。
そして、わたしは勇気を出して
その言葉に応えた。 

「社長。見ててください! わたし絶対、CW社に入りますから。
そして…わたしも、社長を見てますから」
 

何の確信も、自信もあったわけじゃない。
ただ、そう言わずにはいられなかった。
これからの、自分の人生を歩んでいくために
自分で自分に、見栄を切った。 

このサヨナラこそが私に力をくれる。そう、信じて


Madonna  - The Power of Goodbye (1998)

この「カナダへの道」での
ここは↑ 大きな山場かもしれません。
言ってみれば、こじれにこじれた最悪の結末・決裂・絶縁です
まだ、何もかもが電話やFAXでのやり取りがメインだった頃
ググって何か対処法を調べたり、考えたり出来なかった時代です。

さて、自分で辞めるどころかクビになってしまった私。
人生ゲームのコマを戻したのか、それとも外れたのか
どうなる!?私 ~続きを読む

TORIA (o ̄∇ ̄)/

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