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Cafetalk Tutor's Column

Toria 讲师的专栏

壊れていく、わたし~カナダへの道⑳

2023年7月22日

*カナダへの道【前半】を読む
*いざ!カナダへ⑬
*想像と現実⑭
*未知なる道へ⑮
*でこぼこ道を歩き始める⑯
*落ちぶれた、わたし⑰
*転んでも。⑱

*大海へぶち込まれる⑲

急激な環境の変化。
言葉の壁。
出張に次ぐ出張。
だが、何より不安だったのが
この先、労働ビザを取って、永住権申請に漕ぎつけられるか。 

入社した日系企業、すぐに“あやしい” “おかしい”と思う事ばかりだった。
間もなく、その経営状態は
ほとんど自転車操業だという事に気づく。

永住権を申請するまで、この会社は存在するのだろうか…。

わたしは、カナダに来た当初から「労働者選抜」と言われる
自分の仕事のスキルで永住権を取得する枠で申請を考えていた。
ただ、それに必要なのは
わたしの雇用を保証してくれる“カナダの企業”。
だから…
こんな経営が危うい会社でも、しがみつくしかない。
 

カナダに来てからの9か月はオフィスに住み込み
社長やその他スタッフも同居する
「タコ部屋」暮らし。

仕事とプライベートの境もなく、自転車操業の会社ゆえ
常に仕事に追われ
土日もウニの入荷と生産、出張があれば飛行機で飛び、出張先の工場で働いた。
その後、一人暮らしになるも労働環境は変わらなかった。

自分で望んだ事とはいえ
わたしは、労働ビザと永住権でがんじがらめになり
自ら人質になっているような暮らしを続けていった。

カナダに来て2年目の夏、わたしは社長と“衝突した”。
派遣されたケベックでのツブ貝の生産で
どうにも納得がいかず、社長に盾をついたのだ。
 

そして、わたしはあっさりと!社長の一言
「今すぐ荷物まとめて、そこから去れ」・・・で
その現場を、仕事を干された。
出社に及ばず、というやつである。
 

まさか、こんな事になるとは!
この会社を追われたら、もう先がない!!

自分を過信していたのかもしれない。
日々の積みあがったストレス、怒りを、社長にぶつけてしまったのかもしれない。
色んな思いがグルグルしながらも、自分の存在の小ささに
心が震え、凍える思いだった。

ケベックからニューブランズウィックのキャンべルトンに着くと
わたしは、古びたモーテルに部屋を取った。
放心状態のままテレビをつけると、この曲が流れていた。
泣いても、悔いても、もう絶望しか見えなかった。

そして、
わたしは壊れていった… 


Peter Gabriel - Don't Give Up (1986)

仕事を干されて、辿り着いた見知らぬ町のモーテルで聞いた この曲。
もう絶望しかない中で「Don't give up」という歌詞が空しく聞こえた。
どこかで、諦めている自分。でも、諦めるか!という自分。
ここからの3か月で、わたしの人生は大きく変わっていく~続きを読む

TORIA (o ̄∇ ̄)/

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