小学生の頃は怖い話が大嫌いだった。
クラスのイベントで誰か一人は怖い話をする人がいた。
私は嫌だったからひたすら耳を両手で塞いでいた。
「大丈夫だから」
と言って私の手を引き剥がそうとする悪い友達。
断固として聞かない私。
いったい何の時間だったのだろう?
泣き虫だったのにその時間だけは泣きたくなかった。
テレビの心霊番組も無理だった。
始まった瞬間に私はその場から逃げ出した。
でも、世の中は怖い話よりも更に怖いものが存在する。
これから化学の怖い話をしよう。
みんなは塩酸を知っているだろうか?
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液で中和すると塩化ナトリウムと水ができる。
塩酸は塩化水素が溶けた水溶液というのは中3生くらいで勉強する。
じゃ、塩化水素は知ってる?
無色透明で刺激臭のある有毒な気体だ。
刺激臭というくらいだから相当臭いだろうな、と思うじゃん?
高校まで私もそんな認識だった。
しかし、その考えはアスパルテームぐらい甘いのだ!
何の実験かは忘れたが、
発生した塩化水素ガスを水に溶かして排水する装置があった。
私の班はその通りやって実験は順調だった。
はて?水道の方に行くと鼻の粘膜が痛い。
鼻が痛くて作業できない。
なんと隣の班が装置に水を流してなかったのだ!
塩化水素が発生したのか白い煙がモクモクと出ているではないか!
慌てて隣の班の人と実験補助の講師に言って排水してもらった。
刺激臭ってツンと来る匂いだと思っていたが、
まさか鼻が痛くなるくらいだとは思っていなかった。