みなさん、こんにちは!ウィーン在住のピアニスト、村上ゆきです。
このコラムでは、「私のピアノが上達したきっかけ」をお話していきたいと思います。
私は、ウィーン音楽芸術大学の修士課程を修了したのですが、子供の頃から有望なピアニストで、順風満帆にウィーンに留学したわけではありません。
むしろ、大人になってから、ウィーンの大学院を修了できるレベルにまで、ピアノを上達させました。
これから、ヨーロッパで参加した講習会やウィーンの大学在籍中に学んだ「上達のきっかけ」を、5回に分けてお話していきます。
(↑オーストリア、ザルツブルグの夜景)
今回は第1回目、「椅子の高さ」についてです。
私は椅子の高さを見直し、正しい姿勢、正しい腕の使い方を意識しながら練習することで、ピアノを上達させることができました。
(椅子の高さや弾き方については、色々な学派、考え方があります。
ここで書くことは、あくまでも私が経験したことです。
どれが正解、間違いというわけではなく、自分にあった弾き方を模索することが大切です。)
みなさんはピアノの椅子の高さをどのように決めていますか。
ずっと使い続けている、家の椅子の高さに慣れてしまっていて、それが自分に合っていると思い込んでいませんか。
実は私、家のピアノの椅子の高さはずっと同じままで、コンサートなど、外で弾く機会がある時は、家の椅子と同じ高さにただ調節しているだけでした。
この高さが弾きやすいと思い込んでいた私は、オーストリアのザルツブルグで行われているモーツァルテウム講習会に参加した時、先生に言われたんです。
「椅子、ちょっと高いんじゃない?」
私は今まで、体からの力を指に伝えやすいように、椅子を高めにしていました。
そのほうが、体全体の重さを乗せて、迫力のある音を出せると思っていました。
(ロシアンスクールなど、椅子を高くして弾く考え方もあるので、間違いというわけではありません!)
しかし、先生からご指摘を受けたので、椅子を少し低くしてみました。
あと、足を床から離して、ぶらぶらさせても安定するくらい、椅子に深く座る様にも言われました。
そして、背筋を伸ばして、肩、ひじ、手首はリラックスさせて、しなるように(スナップをきかすような感じで)フォルテの大きな音を出しなさいと指導してもらいました。
先生に指摘してもらったことをしっかりと意識しながら、自分にあった椅子の高さを考え、姿勢や腕の全体の使い方を見直したことで、
力任せに出した硬い音ではなく、重厚なフォルテの音が出せるようになりました。
また、弾きにくかった早いパッセージなども、弾きやすくなりました。
慣れてしまっている椅子の高さが自分にぴったりの椅子の高さだとは限りません。
すでに、自分にぴったりあった椅子の高さを見つけていらっしゃる方も、
姿勢を正し、体や腕の使い方を意識するだけで、音色が全然変わってきます。
筋力や年齢でも弾きやすい体勢は変わってくるので、定期的に体の使い方をチェックすることは、とても大事です。
椅子の高さが変わると、指への力の伝わり方が微妙に違ってきます。
みなさんも一度、いろんな椅子の高さを試してみて下さいね!
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ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
中々、文章では伝えにく部分もあるので、ご興味のある方、現在何か弾きにくさを感じていらっしゃる方は、ぜひ私のレッスンを受講してみて下さい。
質問などもお気軽にお問い合わせください♫
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カフェトーク
ピアノ講師 村上ゆき
学歴
ウィーン音楽芸術大学 大学院修了
ウィーン国立音大 ポストグラデュエイト課修了
グラーツ音楽大学 修了