1590年、使節団は8年にも及ぶ海外旅行から無事に帰国します。
しかしバテレン追放令が発令されるなど、社会はキリシタンへの風当たりが強くなっていました。
それでも豊臣秀吉は興味を示し、帰国した4名の青年の楽器の演奏を聴きます。
クラヴォ(撥弦鍵盤楽器)
アルパ(ハープ)
ラウデ(リュート)
ラベキーニャ(バイオリンのような楽器)
秀吉は、汝らが日本人であるということを大変うれしく思うと述べたそうです。
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さて使節団が持ち帰った物の中に「印刷機」がありました。
1450年ごろグーテンベルクによって発明された活版印刷機。
これによりキリスト教に関する書籍が印刷されます。
その一つ『サカラメンタ提要』が1605年に長崎で出版されました。
この本に掲載されているグレゴリオ聖歌19曲の楽譜。
これが現存する、日本で印刷された最古の西洋音楽の楽譜です。
1501年にイタリアで『オデカトン』という活版印刷された楽譜の初出版から約100年、
日本でも初めて西洋音楽の楽譜が活版印刷されたのです。