君が行く道のながてをくりたたね
焼きほろぼさむ天の火もがも
(あなたが行く長い道のりを繰り寄せて、焼きつくしてしまうような天の火がほしい。)
狭野茅上娘子
(さののちがみおとめ)
中臣朝臣宅守(なかとみのあそんやかもり)と狭野茅上娘子は、恋に落ちた。
とがめられるような恋だったのか、宅守は流罪になった。
宅守が越前の国に行く前に、娘子が詠んだのがこの歌である。
どんな恋だったのか、なぜ宅守が流罪になったのか、定かではない。
ただ、歌が残るのみである。