サンタさんも音も上から降りてきます(音色の話)
今週のテーマ:
今年のクリスマスウィッシュは?
2021年12月20日
クリスマスウィッシュは?
というお題が出されていますので
コラムを書こうと思います。
私は何歳になっても
「サンタさんに来てほしい」と
ひそかに本気で!願っています。
ところで
サンタさんって上から降りてきて煙突から家の中にに入るんですよね?
良い音も基本的には上から降りてくるんです。
画像は先日伴奏でお伺いした駒ケ根高原教会です。
教会やホールなど天井の高いところで演奏するとよくわかるのですが
良い音は上から降ってくるのです。
珍しく抽象的な言い方をしますがとても大切なポイントなのです。
日本人は紙や木、草など音を吸う素材で作られた家に住んでます。
障子、畳、襖・・・などです。
そこでは、声は私から発せられて
まっすぐあなたに届きますね?
直線的な→(矢印)なわけです。
ところが
ヨーロッパでは木やレンガなどで作られた家に住んでいて
部屋も大きく天井も高めなので音が良く響くわけです。
そこでは私からあなたへの直線的な声だけではなくて
反射して(あるいは共鳴して)届く音がたくさんあります。
音の届く矢印イメージがとても大切なのです。
ピアノからお客さんへ直線的に音を届けようと思って弾くのと
ピアノの音がホールの天井や空間に響いてお客さんに届くと思って弾くのって
テクニックの話を抜きにしても
明らかに音色が変わると思いませんか?
オペラ歌手の声が、口からまっすぐしか飛んでいなかったら
トランペットの音が、ベルから直線でしか飛んでいなかったら
それはそれは耳障りなことでしょう・・
だからオペラ歌手もトランぺッターも
口腔や鼻腔や体を使って音を共鳴させているのです。
じゃあピアノは?
まずは鍵盤やピアノを凝視しながら弾くのをやめて
少し遠くを見ながら音を出してみましょう。
(大事な音の時だけですよ!
ちなみに私は水平より少し上の空間を見る癖があります・・)
目をつぶってみるのもありです。
そしてそのまま音をよく聞いて
次の音を弾いてみましょう。
(慌てずに上から音がおりてくるイメージで
手を鍵盤に下ろします。よく聞いて。)
いつもと違う感じの音が聞こえたあなたは
もうすでに音色に対する感覚のすぐれたピアニストですよ♪
「視線!」と端的に注意される先生もいらっしゃいますからね。
ぜひお試し下さい。