「学習塾は人気商売」
こんにちは。講師のbananafishです。
個別指導塾に集まって来る「生徒」について後編です。
前編では、実際に塾に通っている生徒を通じて集まってくる「生徒」についてお伝えしました。
後編では、実際に塾に通っている生徒発信の情報網ではなく、親御さんの情報網による紹介で通い始める生徒についてと、集まってくる生徒の性格が教室全体に与える影響についてお伝えします。
「学習塾は人気商売!(生徒編・後編)」
親御さんの情報網がきっかけにお問合せいただくケースでは、お子さんについての共通の悩み事が発端となる場合が多いようです。どうやら「公文や英会話をやっているけれど、そろそろ学習塾に切り替えたい」、「グループ指導の塾に通っているけれど、効果がない」、「集中力がなく、学校で良く注意される」、「忘れ物や遅刻が多い」などといった世間話の中から、当校を紹介して頂くという流れのようです。このようなケースが続くことで、自然と当校は、その悩みに特化した対応策に敏感、経験値が蓄積されていくという傾向があります。マイナス要因がある場合にも同様の影響があるはずなので、親御さん同士の情報網は侮れません。
一人の先生が、複数の生徒に対して同じ内容の講義をすることになる学校や、グループ指導の塾と比べ、個別指導塾の授業における生徒たちの集中力や、先生たちの指導内容は、同じ時間に誰が、どの先生と、どんな授業をしているか、という好奇心に影響されやすいという弱みがあります。
どのような生徒が集まっているかによって、教室全体の雰囲気はガラッと変わります。軸となる教室長の方針が同じであっても、毎年、毎年、生徒と先生は入れ替わり、その年独特の雰囲気が生まれます。
勉強も運動も出来て責任感のある学校でも人気のある子たちが集まると、授業中はしっかりと集中し学習する環境が整うだけでなく、授業の合間には、部活の話しなどで盛り上がるなど、教室全体が色々な場面で積極的、前向きの和やかな雰囲気になります。
反面、集中力のない子たちや勉強が嫌いで仕方ない子が集まると、先生に対して必要以上に雑談を展開したり、宿題を減らす交渉をしてみたり、隣の子にちょっかいを出したりと、周りの子たちの集中を妨げるだけでなく、先生たちも、その子たちをコントロールすることに注力することになり、1対複数型の個別指導塾の場合、同時に授業を受けている生徒への対応はおろそかになりがちです。
低学年の生徒を受け入れる場合には、標準的な性格、発達段階の子であっても、高学年の子と比べて手がかかることも否定できません。
このような、個性様々な生徒に対して、文字通りの個別対応を平等に実現するためには、完全に1対1の個室指導体制が整っていない限り難しいのが現状です。理想の「教室長」や「先生」が揃っている場合でも、塾に通っている他の「生徒」によって、費用対効果が左右されてしまうことも個別指導塾の弱みかもしれません。
お子さんが通うことになるそのタイミングでの、教室全体の雰囲気を、説明会や体験授業などで知ることが重要です。
「学習塾は人気商売!」
学校が教育機関であるのに対し、学習塾はあくまでもサービス業です。時間と費用に見合う結果を得るためには、様々な要素を考慮することが大切です。
ということで、簡単すぎるくらい簡単に、教室長、先生、生徒同士という構成要素が、教室という枠組みの中でどんな役割を果たしているのかを整理してみました。教室長や先生、集まる生徒の実態については、お伝えしたいことがまだまだたくさんあるので、機会があれば、改めて取り上げたいです。
さて、このような中で、発展していく人間関係から生まれてくる学習塾に通うことの効果は、何を目的にしているのか、誰が主体になるのかによって、大きく変わっていきます。
次回からは、実際の生徒をモデルに、塾というシステムをよりよく活用するためのヒントにつながるエピソードをお伝えしていきます。
では、次回もお楽しみに!