古典の参考書、どれがいいでしょう?という質問がありました。
今回は「手っ取り早く」学ぶにはどれが効率がいいか、という点に絞ってご紹介します。「じっくり」学ぶ、だと他の参考書がいろいろと候補にあがってきます。
古文:中学生ではこれがよさそうです
高校入試 とってもすっきり古文漢文 新装版 旺文社 https://www.amazon.co.jp/dp/4010216255/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_eBqDDbT4J3PQH
古文:高校生の文法問題集
↓古文の文法をやるなら(文法はこれ1冊でOK。自分の古文文法の授業では、常にこれを使っています)
ステップアップノート30古典文法基礎ドリル (河合塾シリーズ) 井上 摩梨 https://www.amazon.co.jp/dp/4777208362/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_-EqDDbZ0KEYFD
本当にこれだけでいいです。
もちろん、ほかにも良いものはありますが、僕はずっとこの1冊だけをおすすめしています。ほかの文法問題集でも良いですが、まずは文法のバイブルを1冊に決めて、それを何度も見返して本番までずっと使う、というのが理想的です。
自学自習用の参考書で大事なのは、「どこをやればいいのかポイントを絞ってまとめているものを選ぶ」です。入りやすいです。
学校の副教材のように、「何でもかんでもズラッと書いてあって強弱がつけられていないもの」は、学校以外で、自力で受験勉強をすすめたいのであればあまり向きません。
ただもし、学校についていく=受験勉強になる、というふうに、学校がしっかり受験対策をしくれているのであれば、ほかのものに手を出さず、学校のものを使いましょう。
(おまけ)ステップアップノートには、練習問題が文章になっているものもあります。読解問題の練習にもなるかもしれません。個人的には、読解はあとでやればよいので、基礎ドリル「茶色」でもいいと思いますけどね。
ステップアップノート30古典文法トレーニング (河合塾シリーズ) 井上 摩梨 https://www.amazon.co.jp/dp/4777208370/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_9HqDDbW2G5FXA
古文:高校生の読解問題集(第1冊目として)
↓古文の文法をやりつつ、読解の練習もするなら(練習問題が文章読解になっています)
古文上達 基礎編 読解と演習45 仲 光雄 https://www.amazon.co.jp/dp/4860662873/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_FVmTEbFP1NJ8A
古文上達基礎編は、「文法順に並んでいる」ので、文法問題集からつなげやすい問題集です。文法のまとめもしっかり乗っていて、簡単な文法確認問題もついています。
そして、読解問題の問題数が45と多い。十分な量です。
「質はどうなのか・・・?」についてですが、とても入りやすいです。特に最初はわざとしょーもない話が出てきます。
ただ、「難関大を目指す人には不向きでは?」という声もあるでしょう。
これがなぜ「基礎編」なのかというというとですね・・・
本文下についている注が詳しすぎるんですね。ここさえ読めば、読解が苦手な人でもある程度読めます。そして解答にある全訳がまたくわしい。助動詞や助詞の重要な部分もチェックが付いていて復習がしやすいです。
でも、「その注を読まずに読めば、難関大向けの教材に早変わり」です。中身は同じ古文ですからね。
そして、自学自習のポイントとして、解説が詳しい、訳がくわしい、注がくわしい、というのは重要。難関を目指す人でも、読解の1冊目としてはおすすめできます。
漢文:高校生の句形など基礎がため用
漢文はほぼどの受験においても、「省エネ」が第一です。できるだけ大事なことに絞って、「あれもこれも覚えよう」ではなく、「これだけ覚えておけばいい」とガイドしてくれるものが一番です。
その意味でものすごくオススメなのが、以下です。
漢文早覚え速答法 パワーアップ版 (大学受験VBOOKS) 田中 雄二 https://www.amazon.co.jp/dp/B07RZ5RKGF/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_YjnTEb0C3JJJV
難関だろうが中堅だろうが、すべての受験生の句形の基本参考書としておすすめできます。
受験の実情にかなり沿って、適切に内容を絞ってくれます。
たとえば、よくある「全部否定」「部分否定」の区別においては、圧倒的に「部分否定」に力点をおいて説明していたりします。
また、絞りかた、簡略化が適切だと思います。勉強の仕方がいいかげんになるわけではありません。たとえば、
・漢文は音読を重要視すべき
・わからない漢字は、その漢字が入っている『熟語』を考えて読解すると良い(たとえば「疎」という語があれば、「疎遠」という言葉を思い浮かべてみれば意味が取れる、など)
のような、僕のこれまでの経験的に考えていることと、かなり符合しています。
極めつけは、最後に重要句形すべてが入ったオリジナル漢文がついていること!これを何度も音読すれば、基本の句形すべてをマスターすることができます。
そして、別冊で読解問題の解き方も解説されているので、本当にいたれりつくせりです。
もしくは、僕が以前使っていた小さい冊子もおすすめです。
↓漢文の基礎はこれ一冊でOK。句法がまとめてあり、後半は故事成語などの超基本的な出典が網羅されています。
高校/スピードチェック漢文 高校国語教育研究会
https://www.amazon.co.jp/dp/442443351X/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_eJqDDbK3E7P7Y
スピードチェック漢文、これ意外と良いんですよ。
「こんな小さいので大丈夫?」
と思うと思います。良いんですよ。それくらいで(^^)!でも、小さいけれど、そこに書かれたことを完璧にすれば入試の基礎づくりは終わりです。
古典って、やるべきことが英文法なんかより少ないのに、なかなか基本が定着しないですよね。ほんとうに、やることは少ないんですよ。
大学入試の配点的に考えても、えてして古典は英語の数分の1です。あまりガッツリ時間を取りすぎず、効率的にすすめたいですね。
他にもZ会のものとかいろいろ良いものがありますが、手っ取り早く、なら上をおすすめするかな、と思います。