バッハの時代の4声のフーガの作曲に挑戦してみました。subject(主題)が何度も曲中に調を変えて出てきます。そしてtonal answerやcounter subjectと呼ばれる主題の呼びかけに対する返答も出てきて複雑さがより増します。バッハの音楽を分析すると数学的に計算された美しさがあります。その中でも冒険的な音の選び方、バロックの時代に活躍した音楽理論家のMarpurgの技法で旋律の移調法などが使用されています。平均律クラヴィーアの作曲を紐解いていくと時代とともに生きているバッハが楽譜から伝わってきたのがとても興味深かったです。また、こういった主題(モチーフ)の展開はジャズにおける即興にも必ず使われています。バッハのような対位法の音楽を作る事はジャズの即興をする事にもとても似ています。よくジャズとクラシックの違いはなんだろうと話題になることが多いと思います。私が思うにクラシックは偉大な作曲家が残した楽譜を元に料理でいうレシピから料理を作る感覚で、ジャズは素材を組み合わせながら一つの題材を目指して料理する感覚ではないかと思います。ジャズもクラシックも楽しみながら素材の味を理解して料理することが共通して大事だなと思いました。