みんなの日本語は、広く使われている日本語の教科書の初級用で50課あります。
日本語学校で主に使われますが、オンラインで使う先生、生徒も多いと思います。
日本の日本語学校のみんなの日本語は、教科書以外に教科書の手引きがありますので
これを使っている日本語学校の先生は多いと思います。
生徒がよくする質問、生徒視点での問題点注意点などあります。
外国の日本語学校で使う場合は、単一言語になりますので生徒の母語での翻訳がついています。
日本の日本語学校では、常勤の先生より非常勤の先生がレッスンをする場合が多いようです。また2~3人
の先生で50課を回すことも多いようです。
つまり、一人の先生が最後の50課まで担当することは少ないということです。
日本語学校でのみんなの日本語の場合、一つの課で必ず教えないといけないことがいくつがあります。
それを教えないで別の先生が次を教えると、生徒が前の、以前の課を習っていることを前提に
教える後の先生は、本来は前の課で習っていないことまで教えなくてはいけなくなり、負担になって
自分が担当するときの課を教えるとき時間がなくなる場合があります。前の先生とのトラブルにもなりかねま
せん。
みんなの日本語を使うときの最大の注意点は、教える課の後に出てくる課の新しい
日本語を使ってはいけないということです。
つまり、5課を教えるときは、6課以降に出てくる日本語を使わない、使えないということです。
20課を教える場合は、21課以降に出てくる新しい言葉を使ってはいけないわけです。
20課までに出てきた日本語で授業をするということです。
これは日本語学校で働いた経験がある先生、420時間の講習を受けた先生はわかっています。
ただ、日本語教育能力試験に合格しただけでオンラインで教えている先生(日本語学校での日本語指導経験が
ない先生)は、このことを知らない先生が多いと思います。
これ、逆を考えればわかりますよね。日本人が外国語を勉強する場合。
英語は中学高校大学、(最近は小学校も含みますが)で習っているのですんなり入ることができますが、
ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語、韓国語、中国語他などを日本人が初めて習うことを前提として
考えれた場合、これやられると最初からちんぷんかんぷんでしょう。
習っていない外国語でその外国語の説明、授業をされてもわかるはずありません。
日本語教育能力試験だけで資格を取った先生でみんなの日本語を教える先生もいると思いますが、
注意しないといけないとても大事なことです。
もちろん、習っていない課の言葉を多少使うのは仕方ないですが、頻繁に使うのはご法度です。
中上級になると、生徒自身も授業以外で覚える言葉が増えてきますので大丈夫ですが、
このことを知らない先生は、オンラインしか経験のない先生の中には多いかもしれません。
日本語教育能力試験は、日本語を教える技術、テクニック、注意点などの試験ではありません。
日本語の基礎応用の試験です。
資格は、実際の仕事ではあまり役に立たないとよく言われます。役に立つ場合もありますが、
役に立たない場合も多いです。資格も大事ですが、実際の仕事では、資格より経験でしょう。
日本語教育能力試験も難しい割に、必要性がない問題がほとんでです。
文法と発音以外、別にどうでもいいことを長時間勉強して、いざレッスンをする。全く使わないことが8割以
上でしょう。
チョムスキーのなんたら、リンガフランカなんたら、日本語史、4つの窓、などなどなど・・・。
知らないより知っている方がいいですが、この試験勉強のほとんどは文法以外不要でしょう。または、ほとん
ど授業で使わないでしょう。(使う先生いるかもしれませんが。)
完全攻略ガイド、先生になってから見る回数や頻度、1年にどれくらいあるでしょうか?
コーパスとかコロケーションなどは必要なのもありますが、時間とお金をかけて合格しても意味のないことが
多い試験と言う先生も多いです。試験内容を意義あるものにしてほしいいです。
発音も日本の日本語学校ではほとんど教えません。国によって日本語の話し方に合わないことが多いので
生徒の要望に応える時間は先生にないですし、先生にも教える知識がありません。
私は発音、とくに中国語母語話者のアクセントを弱くすることも教えていますから、発音の部分はよく見ま
す。口腔断面図を使って、まずは舌の位置(調音点)、発音方法(調音法)など
1回は説明して後はひたすら練習するのみです。
私にとっては発音の部分は有益です。ただ試験に出る発音記号、意味なしです。99%。
この試験、合格したのはすごいですが、ただそれだけです。文法以外。
漢字検定1級合格と同じでしょう。
ほとんど使わない漢字検定1級の漢字、覚えてどうするんでしょう。
漢字検定は2級は価値がありますが、そこまでで十分でしょう。
日本の日本語学校教師経験者は知っていますが、オンラインから始めた先生、および資格も持たない素人の先
生の注意点に例文の教え方もあります。
例文は同じ種類を統一して(複数)教えるということです。
たとえば、みんなの日本語25課で「仮定」が出てきます。
仮定は、「~たら」が日本語の中で一番多く使われます。
でも違いがあります。
「雨が降ったら明日ハイキングは中止です。」
「9時15分になったらこの電車は出ます。」
同じ「~たら」ですが、この文を仮定の「~たら」で一緒に教えると生徒は混乱します。
これで教える先生、勉強不足です。
日本語学校経験者の先生はわかると思います。
「雨が降ったら明日ハイキングは中止です。」は、雨が降る場合もあれば降らない場合もある➡「仮定」
「9時15分になったらこの電車は出ます。」は、電車の出発時刻ですから9時15分になったら必ず電車は
出発します。➡「確定」です。
自動販売機の前で、「お金を入れて、このボタンを押したらジュースが出てきます。」も、ボタンを押せば必
ずジュースが出てきます。➡これも「確定」です。
確定の場合は「と、ば、たら、なら」の「と」と変換可能です。
「9時15分になると、この電車は出ます。」言い換え〇
「お金を入れて、このボタンを押すとジュースが出てきます。」言い換え〇
でもこの3つの文を同じ「仮定」の例文として示したとしたら、その先生は日本語教師失格です。
日本語学校では教えてくれます。日本語学校で働いた経験のあるオンラインの先生は知っています。
日本語を勉強する生徒のみなさん、先生の例文よくチェックしましょう。
「と、ば、たら、なら」は一度に教えると非常に難しいです。
難しい「と、ば、たら、なら」を難しく教える先生➡分かりやすく教えましょう。
その前に先生自身が教え方の違いを知っているかが問題ですが。
ついでに「なら」の注意点を少し。
設定「今日の3時に女性Aのボーイフレンドが遊びに来ます。初めて部屋に遊びに来ます。彼女の部屋はちょ
っとちらかっています。」
文「ボーイフレンドが来るなら部屋を掃除しなくちゃ。」
この文では「ボーイフレンドが遊びに来る」が先で、「掃除しなくちゃ」が後です。
でも実際の時制では、掃除するのが先で、ボーイフレンドが来るのが後です。
「なら」の説明の一つです。
「なら」は「相手の反応、リアクションのとき」もよく使います。
設定、
図書館で長時間勉強している学生二人(友達です)がいます。
「〇〇さん、もう帰るの? 〇〇さんが帰るなら私も 帰る。」
他にもいろいろあります。
なお、例文説明のときは、設定を言ってから説明するのが重要です。
この設定が日本語学校では大変です。例文と設定、用意するのに時間がかかるかかります。
コロナ後は、パソコン授業が増えてパワーポイントなどの代用でだいぶ楽ですが、それでも作るまでが大変で
す。
パソコンできない日本語の先生、会話だけに逃げてないですか~~?
ただ、私もあまり使いません。パワーポイントちょっとぐらい。
日本語学校経由でオンラインの日本語講師になった先生は教え方が上手でしょう。
ただ、レッスン数があまり伸びない先先も多いです。
その理由、わかりません。日本語講師は横のつながりが少ないですから。
でも、何かあるのでしょう。
知識はある、でも「先生が教えたいこと」と「生徒が習いたいこと」は違うことが多いです。
話すだけのレッスン、これは楽ですね。でもこれ、いずれ限界が来ます。語彙文法文型の間違い、教えていな
いですから。間違いの説明もないですから。
先生と生徒の相性も極めて大事ですね。
私はある程度我慢しますが、限度を超えた場合などはすぐカットします。
生徒も先生も選ぶ権利ありますから。
餅は餅屋
「日本語の勉強は資格のある日本語教師」と言いたい日本語教師は多いようですが、選ぶのは生徒です
から。資格がなくてもできるのがオンライン日本語教師です。
でも、実力がものを言う世界です。
助詞の「は」と「が」の違い、 場所+「に」、場所+「へ」、場所+「を」の違い、
韓国語母語話者の「疲れました」と「ちゅからました」、「ぜんぜん」と「じぇんじぇん」
「残念です」と「じゃんねんです」の発音の違い
動詞は「ます形」から教える(なぜかも含めて)
形容詞は、「な形容詞」が先で「い形容詞」が後。
ビジネス用語 下から上の場合 「了解しました」✖ 「承知しました」〇、「かしこまりました」〇、
ビジネス用語 下から上の場合 「大丈夫です」✖
ビジネス用語 下から上の場合 「参考になりました」✖ 「勉強になりました」〇
ビジネス用語 下から上の場合 「こちらが資料になります」✖ 「こちらが資料でございます」〇
ビジネス用語 宜しくお願い致します。✖ よろしくお願いいたします。〇
(最近、漢字3つが増えているのは事実ですが、本来は間違い。)
宜➡便宜を図るの当て字 お願いする➡動詞+補助動詞の「いたす」はひらがな
日本人だったらだれでも日本語教師できるのか? ま~、できるでしょう。
なお、みんなの日本語は、公文式のようにできていて非常にいい教科書ですが、
1対1のオンラインレッスンにはあまり向かないと思います。ただ、使うなと言うことではありません。