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Cafetalk Tutor's Column

Leco 講師のコラム

英文を繰り返し読む効果

2024年5月25日

英文を読む時、真っ先にすることと言えば、文の意味を知ることでしょう。
文の中に知らない単語が出てきたら、辞書で調べる。
一つ一つの言葉の意味をつなぎ合わせていくと、文の意味が見えてきます。

意味を知った次に何をしますか。
…?
え?意味以上に何かすることがあるの?と思うかもしれません。

英文は一度読んだらそれで終わりではありません。
何度も繰り返し読むことで、
学んだことがずっしりと深く、みなさんの脳に記憶されるという効果を期待できます。


「三人称単数 he she, itには、動詞の語尾に-sがつく」
ということを学んだ生徒さんが、ある英語の文を1週間読みました。
1週間で、最も感動したのは、
「三人称単数が主語の文には、どれもちゃんと動詞の語尾に-sがついていた。」ことだった
と生徒さんは教えてくださいました。
英語の授業で習ったことが、実際にネイティブスピーカーの書いた英文に反映されていたと知りました。
それまで、何で動詞の語尾にわざわざ-sつけるの?
面倒だなあと思っていたそうです。
英語の文を繰り返し読むことで、
動詞の語尾に-sをつける大切さや必要性を実感したと仰いました。

言語の習得と言うのは、何層にも重なる類似する経験から成り立っている
と私は考えます。

1回の英語のレッスンで、
「三人称単数 he she, itには、動詞の語尾に-sがつく」と教師から教わっても、

右から左へ情報が流れていくだけだったり、

同じような文法のルールが母語の日本語にないため納得いかないと感じたりします。
ところが、何度も英文を読んでいくと、
実際に英語のレッスンで習った文法と同じルールが適応されていることに気がつきます。

右から左へ流れていくだけだった情報に、

大切・必要というタグがつけられ、三人称単数の-sに意味が見出されます。
納得いかない、面倒だと思っていた決まりごとは、
実際に使われる場面に何度も出会うと、白旗を上げざるを得なくなります。
英語の文を読むという行為を繰り返していくと、
何度も同じ表現に出会い、その回数が増えるほど、
それが経験として積み上がっていきます。
そうして積みあがった経験が、習得=当たり前のこととして定着して行くのです。
英文を繰り返し読む行為は、何層にも重なる類似経験を積んでいくことを可能にしてくれます。

言語を習得することは、違いを認めることだとも言えます。
言語自体はとても単純なものですが、それを使う私たちが、
自分たちの価値観によって、言語を複雑なように見えているのです。
ですが、学んでいる言語に触れれば触れるほど、その言語が自然と頭に入ってきます。
文を繰り返して発音することは、自然と言語が脳に定着する方法の一つです。

ぜひ、好きな、気になる英語の文を繰り返し読んでみてください。
その文が持つ最大の魅力が皆さんに届いて、言語が自然と身についていきます。

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