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Cafetalk Tutor's Column

Leco 講師のコラム

文を作るための辞書活用術

2024年4月19日

語学学習に欠かせない辞書。
学習者のみなさんは、辞書をどのように活用していますか。

私のレッスンを受講している生徒さんの多くが、
「言葉の意味を調べるため」と答えます。

 意味が不確かな言葉に出会った。

 こんな時、間違いなく役に立つのは、辞書です。
辞書には、言葉の意味が示されているからです。
だから、意味の不確かな言葉は、辞書を引きます。
ところが、辞書で言葉を引いてみると、意味の他に、
発音記号や例文など、その言葉に関する情報が盛りだくさんあることに気がつきます。
 
それにもかかわらず、多くの学習者の方が、
「言葉の意味を調べる」だけで終わっています。
 
もっと辞書のいろいろな機能を知って使ってほしい。

そんな思いから、文を作るための辞書活用術をお伝えします。

 
なぜ、文を作るためだけに限定したかというと、
話すにしても書くにしても、
文という形が、私たちのコミュニケーションの基本だからです。
 
英語にしても日本語にしても、言葉1つではなく、
いくつかの言葉をつなぎ合わせて文という形で、
私たちは、自分の気持ちや意見を伝えています。



文を作るには、辞書でどんな言葉を引けばいいでしょうか。
それは、「動詞」です。
英語で文を作る時に、最も要となるのが動詞だからです。
 
文を作る際に、考えなければならないのは、語順(=言葉の順序)です。
例えば、「I like tea.」という文があるとします。
この文の語順を、like I teaや tea I likeなどに変えたとします。
語順を変えると、意味は、「I like tea」と同じでしょうか。
 
いいえ、語順が異なると、意味が同じにはなりません。
更に言うと、語順が異なると、文としてみなされません。
 
意味を正確に伝えるには、決まった語順のルールに従って、
言葉を並べる必要があります。それを文型と呼びます。
 

辞書では、動詞に文型が書かれています。
例えば、likeという動詞を引くと、冒頭にSVOという記号が書かれています。
SVOとは、第3文型のことで「S(主語は)o(目的語を) V(する)」という言葉の順序です。
英語には語順のルールが5つあり、
第1から始まり第5文型と呼ばれています。
今回は文型がテーマではないので、細かい説明は割愛しますが、
この1から5のいずれかの文型に従って、言葉をつないでいくと正しく意味が通じる文になると、
英語では考えられています。
 
その5つの文型どれを使うかは、
使う私たちにゆだねられているわけではありません。
動詞ごとに、それぞれどの文型を使うか決まってます。
だからこそ英作文する時には、辞書で真っ先に「動詞」を調べて欲しいのです。
どの語順で文を作るかがわかると、後はそれに合わせて単語を並べて行くだけです。
今まで悩んでいたのは何だろうと思うくらい、あっさり文が作れます。
 

ところで、辞書によってはこの動詞の文型が掲載されていない物もあります。
辞書と一言で言っても、さっと意味だけ調べるものから、
じっくりと言葉の歴史を語るものまで
さまざまな辞書があるからです。

色々なタイプの辞書がある中で、言語を教えるプロとして
私がお勧めしたいのは
先述した文型が記載されているものです。
それは、どんな時でも、文型=語順が正しければ、意味の通じる文になるからです。
この文で正しいかなという不安を解消してくれるのは、
教師でも英語がわかる人でもなく、
文型であり、それが掲載されている辞書です。
 
意味だけでなく、動詞をたくさん引いて、文型を確認して、
正しい語順の文をいつも作れるようにしていくと、
自然と皆さんの英語が、そしてコミュニケーションが、豊かになっていきます。
 
辞書の「動詞」に注目して、たくさん調べて文を作ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの一日が言葉と文化でちょっと素敵になりますように。

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