NHK大河ドラマ「光る君へ」を毎週見ています。
第17回は、関白(かんぱく)という要職につく藤原道隆(道長の一番上の兄)が亡くなる回でした。
若い頃は温厚な性格で良い兄でしたが、関白に昇進してからは自分の家のために権力を使い、周囲から眉(まゆ)をひそめられる人物となっていました。
とはいえ、天皇につぐ最高権力者が病死するという事態なので、それにともなう周囲の戸惑いも描かれました。ここでは書き切れませんが、どの登場人物も心の動きが繊細で、興味が尽きません。
毎回、音楽に注目しているのですが、今回は、笛と歌が重要な場面で登場。宮中の場面が多いと音楽が登場する機会も多くなる気がします。今回は、平安貴族の生活の中に音楽があったことがよくわかりました。
笛は、関白の道隆が、体調不良を初めて周囲に気づかれる場面でした。
天皇のサロンで、息子や娘、天皇と共に音楽を楽しんでいたのでしょう。道隆が竜笛(りゅうてき)を吹き始めましたが、とぎれとぎれで苦しそう。すぐに意識を失って倒れてしまいました。
娯楽が少ない時代ですから、得意な楽器を持ち寄って合奏したり聴いたりすることが、大きな楽しみだったのではないかと思います。実際、平安時代に雅楽の合奏が発達したと言われています。
道隆が倒れたときも、身内が集まって楽しい会だったのでしょうね。
もう一つは、道隆が亡くなる場面で歌が登場しました。
妻が結婚前に詠(よ)んだ和歌を、寝ている道隆が妻の手をとって歌うという場面でした。歌うというか、少しメロディーをつけて唱える感じです。
「忘れじの 行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな」
歌の意味:
「いつまでも忘れない」というあなたの言葉が未来まで変わらないことは難しいでしょう。だから、幸せを感じている今日で自分の命を終わりにしてしまいたい。
この歌は百人一首に入っている歌ですね。それにしても、最初の「忘れじ」だけで「いつまでも忘れないとあなたが言った」という意味になるとは。
このドラマは、和歌や手紙がよく出てくるのですが、読解力がないので、なんだろうと思っているうちに話が進んでいってしまいます。もっと教養がないと理解するのは難しそう…
ドラマの主人公であるまひろ(のちの紫式部)は、道隆と接点がなく、ひそかな恋人である道長を思い出したり友人と仲直りしたりと、別行動でした。
そのなかで、徐々に「物語を書く」という行動につながる気配が見えてきています。
さて、来週はどうなるかな~