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[レッスンの余白⑱] 人の噂(うわさ)も七十五日(しちじゅうごにち)〜忘(わす)れていいこと、忘(わす)れてはいけないこと

2024-02-05

※「レッスンの余白」は、わたしが日本語教師をする中で感じたこと、

 思ったことをお伝えするコラムです。

 

日本には、「人の噂(うわさ)も七十五日(しちじゅうごにち)」
という諺(ことわざ)があります。

 

(もう30年くらい前の話ですが)

かつて、会社にいた時、

人は、社会的(しゃかいてき)な事件(じけん)をどのくらいの時間で忘(わす)れるか、

という研究をしたことがあります。

 

取り上げたのは、企業の不祥事(ふしょうじ)※、

(当時、金融機関(きんゆうきかん)の不祥事(ふしょうじ)が連続して起こりました。)

2週間ごとに、
一般の人がどれだけ、その事件(じけん)を覚えているか調査しました。

 

※不祥事(ふしょうじ)…好ましくない事件(じけん)

 

結果は、確かに、

2ヶ月半で

街の人は、企業が起こした不祥事(ふしょうじ)を忘(わす)れていました。

まさに七十五日(しちじゅうごにち)ですね。

 

特に、お正月を過ぎると、人が忘(わす)れる速度が早くなることもわかりました。

(「年があらたまる」という表現に見られるように、

 忘年会でその年の悪いことを忘(わす)れ、

 年を越すことで気持ちをあらたにする、

 という日本人の特性(とくせい)なのかもしれません。)

 

確かに、

何もかも覚(おぼ)えていると、生きることが辛くなります。

 

(わす)れる力は、

人間が生きていくために与えられた力だそうです。

肉体的な苦痛(くつう)も、精神的な痛みも忘れられるから、

人は生きていける、っていうことですね。

 

次から次へと、痛ましい災難や事故、ひどい犯罪が起こります。

(今年も、お正月から能登半島地震(のとはんとうじしん)
 羽田空港の飛行機衝突事故(ひこうきしょうとつじこ)

 悲しいニュースが続(つづ)いてます。)

 

(わす)れてはいけない、と思いながら、

新しい出来事が起こると、忘(わす)れてしまうのも人間です。

地震から1ヶ月、

毎日の雑事(ざつじ)に追われて

ふと地震(じしん)のことを忘(わす)れている自分に気が付きます。

ウクライナのことも、ガザのことも、

いつも間にか、

頭の片隅(かたすみ)に追いやられている自分に気が付きます。

 

でも、忘(わす)れてはいけないことってありますよね。

 

(わす)れていいこと、忘(わす)れてはいけないこと、を  

考えながら生きていくことも大切。

二月に入って、ふと思いました。  

 

 

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KOBA
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