先日、台湾の私の日本語の生徒2人と日本語のレッスンで「台湾の薬事情」の話をしました。
その生徒は若い医者と医者志望の人です。
二人とも薬には非常に詳しい生徒です。
台湾では先発品(新薬)とジェネリック品の値段は同じだそうです。
値段が同じであれば、常識的に考えて患者は先発品を選ぶを選ぶと思いますが、台湾ではほとんどジェネリッ
ク品だそうです。
ただし、これはジェネリック品の仕入れ値がかなり安いため、病院や薬局がジェネリック品しか仕入れないか
らだということです。
台湾の一般の患者(医療、医薬関係者以外の人)は、先発品、ジェネリック品の違いを
説明されることなく、知ることなくジェネリック品を処方されることが非常に多いそうです。
患者に選択権がないのは非常に残念なことです。日本より台湾のほうが問題かもしれません。
経営は大事ですから、仕方がないですね。
(台湾の医療システム、医療保険システムなどは日本と少し違うそうです。)
台湾で日本語を勉強している人、日本で日本語を勉強しているひとは、
先発品(新薬)とジェネリック品に違いがあることを知ってください。いい機会です。
その私の生徒二人は、台湾の医者自身が薬を飲む場合、
先発品が病院や薬局にないので困っていると嘆いて(なげいて)いました。
二人の意見しか聞いていませんが、周りの先生の意見も同じであることは事実のようです。
「日本の医者も患者へはジェネリック品処方、自分が薬を飲む場合は先発品を飲む」がほとんどでしょう。
日本の患者さんは、お金に余裕があれば先発品、重要部位重要疾患(脳、頭、心臓、肺、糖尿病、脳血管障
害、血圧など)の薬は先発品を選んだほうがいいと思います。
すでに日本の薬の約80%はジェネリック品になっています。
ジェネリック品が効果がないということではありません。
先発品に比べると効果が落ちる、副作用(最近は副反応といいます)が出る可能性も高いということです。
それで患者が満足するかしないかということでしょうか。
国は、医療費を押さえたいと思っているのでジェネリック品を推奨しています。かなり強力に推奨していま
す。「ジェネリック品は先発品と同等の臨床効果・作用が得られる」と言っています。厚生労働省の説明で
す。
この「同等性」について調べてみました。
厚生労働省が定める同等性(正確に言うと「生物学的同等性」)は、
なんと、「80%~125%の許容域の幅」としています。
分かりにくい数字ですが、効果や副作用の幅において、先発品を100%とするとジェネリック品は80%あればい
い、ジェネリック品を100%とすると先発品は125%になるということでしょうか?
45%の差と見るか20%の差と見るかわかりにくいですね。
ただ、先発品とジェネリック品では20%前後の差(効果と副作用、副反応)があるということは科学的に証
明されているということです。
。
問題は、この20%を「高い数値とみるか低い数値とみるか」ということです。80%~125%であれば
45%の数値差があるとも取ることができます。
20%の数値、これで「同等」といえるでしょうか?
常識的な人は、同等ではないと思うはずです。
でも厚生労働省は、同等と言うだけで、具体的な客観的な数値は言いません。何も言いません。説明しません。
これが国のやり方で、われわれはこれを受け入れるしかないということです。
ただ、台湾に住んでいる人より日本に住んでいる人が、選択権があるため、まだ恵まれているということで
す。
日本に住んでいるみなさん、台湾に住んでいるみなさん、どうやって薬を決めますか?
なにかの記事でこんな文を見たことがあります。
「結果として開発・臨床にかかる費用・手間が少ないため、ジェネリックは安い値段
で売れるのではないでしょうか?➡「は?」
ジェネリック品が安い理由に「臨床」は関係ありません。「臨床」という言葉は「臨床現場」のことです。
つまり、みなさんが行く病院での診察診療現場のことです。
ジェネリック品の価格は、臨床現場に出る前に厚生労働省が決めています。
「臨床」ではなく、「治験」です。
「治験」とは、新薬を出す前の開発試験のことです。インビトロ(試験管内の実験等)、動物実験、人間で
の実験での効果安全性の試験です。
人間での治験を「臨床治験」と言います。この臨床治験は、ジェネリックではほとんど行われません。
(一部あるかもしれません。)
臨床治験が行われない理由は、有効成分が同じだからというのが主な理由です。
でも、添加物の違いがあります。添加物が違うと効果に差がでます。さらに企業間の技術
力の差もあります。
これは「新薬メーカーとジェネリックメーカーの違い」でけではなく、「ジェネリックメーカー間での技術力
の差」もあります。
プロセスは同じでしょうか?。プロセスを進める段階での技術力には差があり、この差は意外と大きいです。
年間売り上げが数百億円~1000億前後の新薬の場合、そのジェネリック品は一度に20~30品ぐらい出
ます。
これら全部がすべて合格点を取っているのでしょうか?取っているのでしょう。
国が認めているわけですから(80%~125%の許容範囲内で)
でも1位もあれば30位もあるわけです。1位2位の薬が5~10%の差というのはあり得ます。
このような薬が出ればジェネリックをでも安心できます。
しかし、たまたま飲んだ、処方された薬が30位の薬だったら怖いですね。
何位の薬にあたるでしょうか。
当たるも八卦当たらぬも八卦。
こんな文も目にしました。
①「先発品からジェネリックに変えたら、効果が弱くなった、アレルギー反応が出たというのはあるようで
す。ただ、かなり稀なケースのようです。」
これは、かなり稀ではなく、ごまんとあります。
私が直接医師、薬剤師、医薬関係者から聞いただけでも①のような話はかなり多くあります。
私の元同僚、のべ数千人、同業他社メーカーおよび薬問屋ほとんどが医者から直接聞いています。
これらを合わせると数万数十万以上を超える可能性があります。
少なくとも「かなり稀」という言葉は完璧な間違いです。
②「先発品では効果が薄かったけど、ジェネリックに変えたら効果が強くなった、副作用が出にくくなったと
いうパターンもあるようです。」
この②は、①の「かなり稀」より低いレベルです。私は聞いたことがありません。まずあり得ません。
はなはだしい誤解です。フェイクに近いです。
0とは言えませんが限りなく0に近いといえるでしょう。
(たまたま、薬の飲み合わせが悪かった、食事の影響、体調が悪かったなど新薬で効かなかった、副作用がで出たは、あり得ます。)
しかし、ごくごく稀な例を当たり前に起こっているように言うのはおかしなことです。
また、数多く大量に言われていることを「稀に」と表現するのもおかしなことです。
小学生でも高学年ならわかると思います。
昨日、元同僚(製薬会社勤務)と飲んでこの話をしました。呆れていました(あきれていました)。
①も②も、インターネットで検索してみればすぐわかります。何でもインターネットで見ればわかります。
ただし、インターネットでは、誹謗中傷やでたらめも多いのできちんと名前や所属を出している人の記事で確
認しましょう。
ジェネリック品しか出さないメーカーの協賛をうけたDr、薬剤師の記事は話半分と思って聞きましょう。
また、みなさん自身で医者や薬剤師に聞きましょう。かかりつけの医者に聞くのは聞き辛いでしょうから、友
達の友達(の友達)の医者、薬剤師を探して聞いてみましょう。
「本音を教えて」と聞いて見ましょう。ジェネリック品と先発品(新薬)の差を。
私の占いでは、99・999%、先発品(新薬)が効果が高いと出ています。(占い能力0ですが)
私の情報でも、99・999%、先発品(新薬)が効果が高いと出ています。
私は「ジェネリックが悪い、安いから悪い」とは言っていません。
先発品(新薬)と比べるとジェネリック品は効果や安全性の面
でレベルが下がるというのを言っているのです。(直接、間接のかなり複数の情報をもとに)
先発品(新薬)を出す会社に勤めていたからジェネリックより新薬がいいといっているわけでもありません。
(私は自分が勤めていた会社大嫌いです。嘘ばっかり言ってましたから。社会に貢献するという建前で、実際は薬売れ売れ主義でした。)
あくまでも、ジェネリック品と新薬の差があるから言っているだけです。
(同等性80%~125%の範囲で)
ジェネリック医薬品の
後発医薬品減産(後発品を使わないと薬局へマイナス加算する)➡薬局の収入が減る(国の政策)
令和4年度4月以降
後発品使用割合50%の処方箋薬局 マイナス5点(50円)
「薬局は処方箋を受けてジェネリック医薬品を出さないと1枚の処方箋で50円マイナスです」ということです。薬局は減収ということです。」
逆に(プラス)加算(薬局の収入増)
後発品(ジェネリック品)置換率 点数(金額)
80%以上 21点(210円)加算(薬局等の収入増)
85%以上 28点(280円)加算(薬局等の収入増)
90%以上 30点(300円)加算(薬局等の収入増)
これ見たら、薬局が先発品(新薬)出さないでジェネリック医薬品出すのわかりますね。
薬局、病院はジェネリックを使わないと損する。ジェネリックを使うと得する(儲かる)。
処方箋薬局で、やたらジェネリック医薬品を押し付ける薬剤師、たまに見ませんか?いませんか?
ちょっと注意しましょう。
なお、ジェネリック品メーカーは、発売後の医師、薬剤師への情報提供は極端に少ないです。
人数が足らないからです。先発品(新薬)メーカーはきちんと薬効(薬の効果)の新情報、副作用情報、きち
んと提供しています。(ただし、例外もあります。人がやることですから)
日本に居る人も台湾にいる人もより健康な体で日本語を勉強しましょう。