皆さん、Bonjour !
カフェートークでフランス語を教えさせていただいているのが早くも5年目の後半に入りましたが、「講師コラム」を開くのが初めてです。普段は生徒さんのご予約が入っていない時間を利用して、畑の手入れなどをすることが多いのですが、梅雨の時期になると時間が余ってしまいます。せっかくですから、こちらのコラムを借りて、変わっているフランス人の私の変わった意見を皆さんとでもシェアしようかなぁと思いました。
毎年5月と10月がやってくると、DELFとDALFを受けようとしている方々は試験に向けて一緒にたくさんの作文を書いてくださるのですが、講師をやらせていただいている私も日本語で文章を書いてみて頑張らないとだめです!
今週のテーマは「健康的な食生活を送るコツ」なんですね。
SNSなどを通じて白黒で考えて、自分の意見を強く出張する人が多いこの時代では、「健康的な食生活」を定義することが危なくなったような気がします。自分と全く同じような食生活でなければすぐ嫌になったり指摘したくなる人が多いようで。(過去の自分そうだったかもしれません。)
私が思うには、「健康的」である食生活は、その時のその人の健康や環境によるものです。
勝手ながら、今の私を例えにしましょう。
最近は(この「最近」が重要です)、小麦粉と乳製品をほとんど食べていません。1週間か2週間に1回ぐらいかな。白糖・精糖という砂糖も取らないようにしています。お酒も飲まないようにしているというか、1週間か2週間にビール一本くらい飲んでいます。
1日に2食で、お米かジャガイモを主食にして、生野菜、果物、ナッツ、卵、お肉、お魚をメインに食べています。
そんなことを白状する自分は即座にツッコまれそうですね。
「パンもチーズも食わないやつって、どこがフランス人やっ?!」とか言われてその場でフランス人として失格とでも・・・そう突っ込まれて反論もできそうにないですし。
今の私がああいう食生活にしている理由が二つあります。
一つ目は、長年様々な食生活を試してみた結果、今の私には一番気持ちの良い食生活だからです。
二つ目は、今の私の環境と生活リズムに合っているように感じる食生活だからです。田舎に住んでいるので、私の食生活の基盤となる食材の一部を自分で育てているので、上記の食生活に優しい環境です。
ここまで来て、やっと本題の健康的な食生活を送る「コツ」に至ります。
それは、自分が納得いく食生活を送ることです。
自分の現状とずれていて、自分の環境に合わなくて、送ってみると体も精神も喜ばないような食生活を送ってみれば長く続かないのです。
「そこまで書いて当たりまえなことで結論かい?」とまたツッコまれそうです。
その通りです。なぜ無理をしているかわからずにずっと無理をすればだれでも嫌になります。当たり前ですよね?
当たり前なのに、インスタグラムなどで素敵な体(本物の?画像編集?)をしているあるお姉さんがある変わった食生活をしているから自分もやらなきゃ!と思って急に食生活を変えて、その結果三日坊主でポテチとコーラに戻る方も多いような気がします。
健康的な食生活を送る第一のコツは自分の環境が許す一番続けやすい食生活にすることです。
ツッコミ防止で付け加えますが、簡単で安いから毎日カップ麺を食べることは「健康的な食生活」に当てはまりません。
私たち人間の体は食べているもので作られているわけですから、できる限り自然なもの、要するに加工されていない食物をメインに食べたほうが誰にでも健康的であると思います。
そう意識しながら旬の野菜や果物、ローカル生産の肉や魚など、簡単に手に入れるものを買い、家族がいれば家族も喜ぶような食事を作って一緒に食べることが大事です。金銭的にもわりと優しい食生活ですから継続するにもいいと思います。
フランス語では「Le mieux est l’ennemi du bien.」という諺があります。
直訳すれば「最良のものは良いものの敵だ」となりますが、現在ある良いもので満足して常により良いものを求めてはいけないという意味です。
その諺の意味を自分の都合で解釈して皆さんにアドバイスしたいのですが、言語や音楽の勉強もスポーツも食生活もそうですが、継続することが大事です。その継続ができるには、上を目指すのも大事ですが、無理をしないことが一番大事です。
現在頑張っている自分も褒めましょう。
ということで、たまにご褒美として健康的でない物を自分に許して、これからも無理をせずに楽しく生活していきましょう。