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「標準語」と「共通語」の違い。日本語の標準語とは?中国語の普通話は標準語?

Четверг, 22 Сентябрь 2022 r. 07:30

就職で上京したわたし。「先輩や同期に方言を笑われたことがきっかけで標準語にしました」と何も考えず言ってきました。この言葉に違和感を持つかたもいらっしゃると最近知りました。

「標準語」と「共通語」
日常的には「方言」の対義語として「標準語」を使っている人が多いと思いますが、「標準語」のほかに「共通語」という言葉があります。
 
実は、現在、日本語には「標準語」と言われるものはなく、「共通語」があるとされています。「共通語」とは、全国どこでも通じることばで、東京語に近いが必ずしも一致しないものです。
日常会話では「標準語」のほうがまだまだ浸透していますが、言語学者のかたやNHK放送文化研究所、文化庁の国語調査でも「共通語」が使われています。
 

「標準語」の歴史は浅く短い
日本には、もともと「標準語」という決まったものはなく、そのときどきとして、理想的な言葉は移り変わっていきました。
明治時代に、日本全国の言語の統一を図ろうと「標準語」が定められました。定義は下記の通り、「標準語は東京語を母体にして、理想的に磨き上げられた言語」というところです。そもそも、標準語=東京の言葉、ではなかったのですね。

標準語が理想的な言葉として浸透していくと、理想的なもの以外は排除する動きが出てきます。それが、方言撲滅論、つまり方言の矯正です。
明治時代、鹿児島県で厳しい方言矯正が行われた、という記録が残っています(前田達郎、『日本語・日本学研究』第3号、2013年、東京外国語大学国際日本研究センター)。おそらく、方言矯正は鹿児島県に限ったことではなかったでしょうから、「方言は恥ずかしい」「直すべきもの」という考えが広まっていったことは容易にうかがえます。行き過ぎた方言矯正の結果なのかはわかりませんが、地域方言は消滅する方向に進んでいます。
 
戦後,教育の分野では、かつては理想的とされた「標準語」に代わって日本全国で通じる「共通語」が目標とされるようになりました。現在、学習指導要領でも「共通語と方言の共生」が方向性として定められています。
 
中国語の普通話は「標準語」か「共通語」か
お隣の国、中国でも「普通話」という言葉が定められています。さて、この「普通話」。日本語の「標準語」と「共通語」どちらの概念に近いのでしょうか?
中国大陸は国土も広く、他民族国家であり、方言も多様性に富みます。このため、中国全国で共通の言葉を決める必要があり、発音、語い、文法の3つについて基準を定めました。
 
発音 北京語の発音を標準
語い 北方方言を基礎
文法 代表的な現代口語文を規範
 
つまりベースは北京語や北京方言ですが、北京語=普通話ではないのです。日本の「標準語」や「共通語」が東京方言ではないのと似ています。
中国語では、日本語の「基準」が「标准*(日本語の字で書くと標準)」となりますので、漢字に影響され、「普通話」は「標準語」となっている日本語の中国語関連サイトも多いです。
「普通話」の目的が中国全土で通じる共通の言葉だと考えると、中国語の「普通話」は「標準語」ではなく、「共通語」の概念に近いのかもしれません。

私が教える中国語発音は「北京語」ではなく「普通話」です
外国人学習者が「普通話」を勉強する必要があるのは、中国どこでも通じるから。「中国人は方言を話しているじゃないか!」「普通話はあまり話してない!」と言っても、中国語学習者としては中国全土で通じる「普通話」をマスターし、「通じる」発音を身につけるのが近道。方言を身につけるのは、それからでも遅くないと思っています。(※台湾の場合は「普通話」とは異なる「共通語」があります)
 
Cafetalkには台湾華語を教えてくださる先生もたくさんいらっしゃいますので、発音の違いを感じてみるのも面白いかもしれません。

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