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学びの復讐~【第3話】

Воскресенье, 20 Февраль 2022 r. 10:20

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この時代に、Juno先生のレッスン「西洋文明から読み解く『腹黒い女の見分け方』」があったら

よかったのに…。:゚(。ノω\。)゚・。

*:..
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地下にある喫茶店「ルノアール」は、私の隠れ家のような行きつけだった。
そこに、今
わたしは「彼女」と向かい合っている。

すでに、その女の左指にはキラキラしたダイヤの指輪が光り
その手を、わたしの前でヒラヒラさせている。 

「わたしも、彼から指輪もらっていたわ」
わたしは胸の内で、そう呟いた。 

38歳とユリコと言う名前。
その女は、何も聞いていないのに話し始めた。 

「彼とは知り合ったばかりだけど、何か気が合ったんです。
あたし、彼と結婚するって決めていますから。
こんな年齢だし、子供とか望めないと思うし、もう
結婚しようと思ったら
これが最後のチャンスかもしれない。
それに、海外に行ってみたいなっていうのもあったんで」

その女の前で、わたしは身も心も縮んでいた。
あまりに自分が子供すぎて
何も言葉が出てこない。

ずっと、長い沈黙が続いた。

奇妙なふたり
奇妙な沈黙。
ひとりの男をめぐって、わたしたちは何をしているのか…。 

何か、話したような気もする。
そして、何故かわたしたちは途中、笑いながら話もしていた。
でも、それが何だったのか、今は思い出せない。 

気がつけば、女と向かい合って8時間。
喫茶店の中で、きっと
“ただならぬ雰囲気”を漂わせていたにちがいない女とオンナ。

しかし、その時のわたしは
そんな事さえも、気にならなかった。
とにかく何とかして、この「腹黒いであろう女」をどうにかしたかった。 

その日、わたしはどうやって家に帰ったのか思い出せない。
ただ、家に帰り着いて
何もなかったかのように、家族の前で
異常なほどの明るさを振りまいた事だけは
覚えている。 

そして、次の日
追い討ちをかけるように、残酷な他人がわたしに詰め寄っていた。

確か、この人はうちの会社を辞めて、彼と会社を作ると言っていた
あの人だ。
仕事が出来る、キレ者だと評判だった次長。
今度はその人がわたしの前で言うのだった。

 「あいつときれいに別れてやってくれ
あいつの事を大事に思うのなら
あいつのために、仕事のために、スッキリと外地へ行かせてやってくれ」

何で、こんな事をこの人に言われているのか。
三文ドラマじゃあるまいし
こんな、ふざけた信じられない事を
なぜ、わたしが言われなきゃいけないのか。
まるで、悪者はわたし…。

終わった実感のない”その現実”を
わたしは、どうにも受け止められずにいた。
でも、恋も愛も、静かに終わったのだ・・・いよいよ明日、完結!? たぶん。


杏里「夏の月」(1998)

ん…言葉が出ません。
現実は、ドラマよりも残酷で悲惨で哀しくて
22歳のわたしは、小さな子供のようでした。

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