みなさん、こんにちは!ウィーン在住のピアニスト、村上ゆきです。
このコラムでは、「私のピアノが上達したきっかけ」をお話していきたいと思います。
私は、ウィーン音楽芸術大学の修士課程を修了したのですが、子供の頃から有望なピアニストで、順風満帆にウィーンに留学したわけではありません。
むしろ、大人になってから、ウィーンの大学院を修了できるレベルにまで、ピアノを上達させました。
ヨーロッパで参加した講習会や、ウィーンの大学在籍中に学んだ「上達のきっかけ」を、5回に分けてお話していきます。
今回は第2回目、「呼吸の大切さ」についてです。
みなさんは、弾いているときに「呼吸」を意識していますか。
私は曲に合わせて呼吸することの大切さを知ってから、メロディーが綺麗に歌えるようになり、また、フレーズとフレーズの間にも自然な「間」が取れるようになりました。
私はイタリアで行われた講習会に参加したとき、イタリア人の先生に、曲に合わせて「呼吸」の大切さを教えてもらいました。(写真はその時のものです。)
曲を弾き始める前、メロディーを歌い始める前、曲のクライマックス、smorzandoで静かに曲を終える時など。どのように呼吸をするかで、その箇所の音の響き方が変わってきます。
メロディーには、常に起伏があります。起伏がなく平坦で、聞いていて少し退屈に感じる音楽を奏でる人は、音楽に合わせて呼吸をしていない人が多いです。
しかし、音楽に合わせて呼吸をしろと言われても、何をどう呼吸すれば良いかわからないですよね。
私がイタリアで教わった方法は、「弾き始める前に息を吸って、メロディーを弾き始めると同時に息を吐く」という練習方法です。すごく単純な方法ですが、普段、弾きながら呼吸をしていない方は難しく感じると思います。
それができるようになったら、壮大で重厚なフォルテの音を弾きたいときは、大きく息を吸って大きく吐き出す、ささやく様に歌いたいところは、ゆっくりと細く息を吐き出しながら弾いてみて下さい。
テンポが速い曲ならば、短く吸ってから始めることになりますし、テンポがゆっくりの曲なら、深くゆっくり吸ってから弾き始めることになります。
息の量や、速さ、タイミングなど、全てが音楽に繋がっていることがわかると思います。
感覚を掴むために、実際に声を出して歌ってみるのも良いでしょう。
意識して、少し大袈裟に呼吸しならが練習していくと、意識しなくても自然な呼吸ができるようになり、メロディーが起伏をつけて綺麗に歌え、自然な間が取れるようになります。
今回は、呼吸についてお話しましたが、いかがだったでしょうか。
中々、文章では伝えにく部分もあるので、ご興味のある方、ご質問がある方は、ぜひ私のレッスンを受講してみて下さいね♫
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カフェトーク
ピアノ講師 村上ゆき
学歴
ウィーン音楽芸術大学 大学院修了
ウィーン国立音大 ポストグラデュエイト課修了
グラーツ音楽大学 修了