もうすぐ夏休み!ですね。
今日は入試問題の発想や着眼点を書いていきたいと思います。
今回は、関西の女子の名門校:神戸女学院の数の性質の問題です。
問題を考えるにあたって、
・過去問等をとりあえず適当に解く
↓
・わからない
↓
・解説を見る
↓
・一応、解き方は理解できた
という繰り返しのパターンを何度も重ねる方が多いですが、残念ながらこれでは問題を見慣れるだけであって、本番で実際に初めてみる問題を解けるようにはなりません??
実際に自分で試行錯誤しながら考えてみる!この過程が一番大切です。
今回は、その時のためのヒントとして、問題を考える時の糸口を一緒に考えたいと思います。
では実際に問題をみてみましょう。
問題
9/11より大きく8/9より小さい数で、分子が17である分数を求めなさい
(まずは一度自分で解いてみてくださいね。その上で)
発想点・着想点を考えてみたいと思います。
ここで大切なのは自分で自分の持っている算数の知識を振り返ることと、振り返った中で思い出せたものと実際の問題を結びつける作業ができているかです。
解説を読めば、カッコよくスマートに解ける方法が載っています。
しかし大切なのは、本番に一人で解けることです。
泥臭くても、時間がかかる解き方出会っても、解説みたいにカッコよく解けなかったとしても、構いません。
重要なのは、自分の手持ちのカードから、考え抜いて、設問の答えにたどり着けるかどうかです。
そう考えると、必ずしもきれいに解けることが必要なのではありません。
プレッシャーのかかる、孤独な試験会場では、自分の手札で、自分の頭で勝負するしかありません。
試験会場には親御さんも、指導講師も解説書も持ってはいけません。
ですから、その状態を想定して、普段から自分の持っている知識と問題を結びつける練習をしておきましょう。
特に超難関校はその訓練が本番での強さを発揮してくれます。
一人で問題に立ち向かえる強さを作ってくれます。
ここでの解説も、小学6年生が今まで習ってきた知識の中から、なるべく使いやすい・思いつきやすいと思われるものを、いろいろな解き方がある中から選択しています。
そのため、少し地道な解き方であったり、解説本とは違う発想になっている時もありますが、こういう解き方もあるんだなと思っていただければと思います。
大人が見て理解しやすい大人の解き方ではなく、小学6年生の受験生が自分の知識から引っ張り出してきやすいということを優先しています。
この問題を見て、
①分数の問題だ
↓
②分数の単元で今までなってきた基本の知識ってなんだろう
↓
③思い出してみると
・通分(分母を合わせる)
・分数を小数にする計算
・分子を合わせる練習
等が、あげられるなあ
↓
④実験してみる:例えば今回は、分数を小数にする計算を試してはどうかなあ?分数を小数に直してみるとどうなるだろうか、、、(もちろん、分母や分子に合わせて解いても大丈夫です。)
では実際に、分数を小数にする計算で試してみましょう。
分数から小数になおすので、
まず分数の9/11を小数に直してみると
9/11=0.81818181・・・
8/9=0.888・・・
したがって17/□は0.8181・・・と0.888・・・の間にあることになります。
17/17=1だから
□は18以上の整数ですね。(□が17より小さくなってしまうと17/□は1より大きくなってしまいます。)
17/18、17/19、17/20、17/21、、、がおそらく候補になってきそう
ここで分数を小数にまた直してみましょう。
17/18=0.94・・・
17/19=0.89・・・
17/20=0.85
17/21=0.809・・・
17/□は0.8181・・・と0.888・・・の間にあるので
□=20
となります。
(※この問題は複数の解き方があるので、自分が思いつける方法を探してみてください。そして本番に自力で解けるようにしていきましょう。)