고추[コチュ]とは、唐辛子のことです。日本でもおなじみの고추장[コチュジャン]や粉唐辛子等、韓国の食卓には欠かせない食材です。また、日本では手に入りにくい生唐辛子ですが、韓国ではスーパーでも手軽に購入でき、日常的によく食べられる野菜でもあります。韓国料理と言えば「辛い!!」というイメージが先行しますが、実は韓国産の唐辛子は甘みが強く、意外にもそこまで激辛という訳ではないのです。ですから、焼き肉屋さんなんかで生唐辛子にお味噌をつけて丸かじりできるんですね。あの食べ方は私も大好きで「余裕、余裕、ただのピーマンじゃん」と調子に乗ってバクバク……ところが、たまに辛いのに大当たりしてしまうことも。韓国人でも失敗しているのを見たことがあるので、ロシアンルーレット的な食べ方ではありますね。また、皆さんがご家庭で韓国料理を作る際、韓国産の粉唐辛子が手に入らずに日本産の一味唐辛子で代用することも多いかと思います。日本産の一味唐辛子は韓国産粉唐辛子よりもかなり辛味が強いので、分量はレシピ通りではなく控えめにした方が無難です。レシピ通りの分量を入れてしまって、地獄を見ることもしばしば^^;
韓国の唐辛子の中に청양고추[チョンヤンゴチュ]というやや小振りの青唐辛子がありますが、韓国では飛びぬけて辛い品種として知られています。韓国産の고추장[コチュジャン]やインスタント麺等に「청양고추[チョンヤンゴチュ]」と表示されている商品が多いのですが、これらは辛さを売りにしている商品ですので、辛いのが苦手な方はご注意!!
ここからは韓国料理あるあるなのですが、韓国料理を食べるとやたらと歯に粉唐辛子がはさまります。韓国の人達が、食後につまようじ片手に鏡の前でシーハーシーハー粉唐辛子と格闘している姿をよく目にします。私は彼らと違ってアマチュアで詰めが甘いので、食後に「鏡見ておいで」と韓国人の友人に度々指摘されたものです。ある時は、「2층에서 불이 났다[イチュンエソブリナッタ](2階が火事だよ)」と言われました。1階は下の歯、2階は上の歯で、火事は赤い粉唐辛子を指します。つまり、「上の歯に粉唐辛子がはさまってるぞ~!」という愛のあるご指摘だったのです。韓国の人達は結構口が悪い(ごめんなさい^^;)のですが、何かと例え方が秀逸でセンス満点なので、ついついクスッと笑ってしまいます。