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Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 講師的專欄

I was a bocchi.63 幻のゴール

2024年11月22日

僕のような運動音痴がベンチ入りするほどの人材不足。
そんなサッカー部が強いわけがない。
夏休みも、塾の講習を理由に練習を休んだ僕にとって、
中学生最後の大会への熱意など皆無だった。
 
だが、大会当日、顧問のオイクボは僕をスタメンに選んだ。
「最後の思い出作り」とでも思ったのだろうか。
指名された以上、やるしかない。
それに、ミスをして不良部員に責められるのは避けたかった。
 
対戦相手は隣の中学校。
過去に練習試合で勝ったことがある相手だった。
「今回はいける!」と、やたら意気込む部員たち。
キーパーのヤワチャンは無謀にも「一回戦突破」を夢見ていた。
 
試合は前半、奇跡の先制点で始まった。
1-0。この点差を守りきれば、次の試合が見える。
だが、後半になると相手チームの猛攻が始まる。
「ケイスケ!そいつをマークしろ!」
ヤワチャンの声が響く中、僕は必死に相手を追いかけた。
しかし、呆気なくかわされてゴールを決められる。
同点。焦るフィールド、怒る声。
ロスタイムも決着がつかず、試合はPK戦に突入した。
 
PK戦。静まり返るグラウンド。
ヤワチャンの気迫が、奇跡を呼び寄せた。
相手のシュートを見事に弾き、歓声がグラウンドを包む。
僕たち弱小チームは、ついに一回戦突破を果たしたのだ。
 
続く二回戦。僕はベンチスタートだった。
しかし、試合は驚くほど白熱していた。
相手は格上のチーム。
けれど、僕たちは食らいつき、膠着状態が続く。
 
後半、アンチャンが渾身の力を込めたシュートを放った。
全員が息を止めたその瞬間、ボールは枠外へ。
「惜しい!」という声が響く中、
相手チームの反撃が始まり、1点を奪われた。
0-1。そのまま試合は終了した。
 
「入っていればなぁ」
「でも、あれは凄かったよ!」
悔しさと興奮が入り混じる声が飛び交う中、
アンチャンのゴールは幻となった。
だが、あの一瞬、彼が見せた渾身のプレーに誰もが心を揺さぶられた。
確かに、あの日のヒーローはアンチャンだった。

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