為您的日常生活增添色彩。

Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 講師的專欄

I was a bocchi.45 NOボウズ

2024年11月4日

小学生だった僕に、カオリねえちゃんはよく言った。
「中学校は男子全員ボウズだからね」
何度も繰り返されるうちに、それは恐怖になっていった。
僕の記憶が確かなら、カオリねえちゃんはオカッパだった気がする。
男子はボウズで女子はオカッパ。
田舎の昭和の香りが漂うその風景が、子供心にどうしようもなく嫌だった僕は、
ボウズにならないために転校か退学さえ本気で考えた。
 
けれども、不思議なことに僕が進学する頃にはその校則がなくなった。
転校も退学もしないで済んだのはいいが、髪が短いのは本当に嫌だった。
サッカー部にいたときでさえ、スポーツ刈りには一度もしていない。
父が床屋代を節約するために僕の髪を切ることが多く、
バリカンを持ち出した日には、僕は必死に抵抗して泣き出したものである。
 
そんな僕の中学校には、部活動の参加が義務だった。
だが選択肢は少ない。
サッカー部、野球部、あとは吹奏楽部と科学部があったが、
音楽も科学も、ここでは「入試に落ちる部活」とされていた。
とくに科学部の人間は暗かったし、
公園で砂をかけてきた意地悪な先輩がいたのもあって、一瞬惹かれたけどやめた。
 
結局、野球部はボウズ、サッカー部はセーフ、
という消去法でサッカー部に入ることに決めた。
とはいえ、やる気はゼロだ。
部活を楽しみにしている友達を、なんだか能天気にさえ思いながら眺めていた。
「ボウズが嫌だからサッカー部」という本当の理由を口にしたら、
みんなに怒られるに違いない。
部活説明会も歓迎会も特になかったが、
みんな入部理由なんて適当に済ませていたようだった。
 
ボロボロの倉庫に新品のサッカーシューズを並べて、僕はしみじみとその場に立っていた。
あんなに大事にしていたシューズも、
数日でこの倉庫の匂いに染まっていくんだろうなと、ぼんやり考えていた。

線上客服諮詢