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Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 講師的專欄

I was a Bocchi.49 恋愛観察者

2024年11月9日

1学年80人、2クラスの小さな中学校。
先輩後輩の関わりは生徒会や部活に限られていたので、
恋愛対象はほぼ同級生オンリー。
中学生にとって、恋愛の倍率はかなり高かった。
さらに、誰が誰を好きかは目まぐるしく変わるのが常だった。
 
僕はというと、性格も容姿もお世辞にも良いとは言えず、
「恋愛なんて関係ないや」
と割り切っていた。
だれも僕の恋愛話なんか興味ないだろうし、
むしろ仲間たちの恋愛模様をこっそり観察している方が楽しかった。
 
特に、宿敵で友達でもあるショウゴの恋路は面白かった。
ネットワーク経由で
「ショウゴがマイを好きになったらしい」
という情報をキャッチしたのだ。
僕はマイとは同じクラスで座席も近く、
学年委員長のおかげで不良以外とはみんな普通に話ができた。
マイとも普通に話せる仲で、自然と恋愛の噂も耳に入る。
 
ある日、電話でマイに
「ショウゴに好かれてるらしいけど、どうなの?」
と聞いてみたところ、案の定、
「ショウゴには興味ない」
との返答。
しかし口止めされていたので、僕は何も伝えず静観することにした。
 
ショウゴの初恋の行方は周囲も薄々気づいていたが、
誰も彼の恋の終わりを止めようとしなかった。
「いつ告白するんだ?」
「どこでだ?」
「どう振られるんだ?」
僕を含めた皆はそんなことばかり考えていて、もはや一種のショー状態。
 
そしてついに、ショウゴは覚悟を決めて、見事に散った。
振られたその瞬間の漢気には感服したものの、
翌日からショウゴは少しずつグレ始めた。
 
「誰も止めてくれないなんて薄情なやつらだよな」
と思いつつ、僕はこの一連の出来事を原稿用紙に書き起こし、
小説風にして読書感想文と一緒に国語担当の先生に提出した。
そのときの先生の、なんともいえない渋い顔が忘れられない。
そして僕はそっと思った。ああ、先生も薄情だったのかもしれない。

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