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Cafetalk Tutor's Column

Tutor Keisuke.H 's Column

I was a bocchi.㊱カオリねえちゃん

2024-07-13

転校前は両親と私と妹だけで住んでいたが、
転校後は祖父母とイトコの姉と同居になった。
なんでイトコの姉が一緒に暮らしていたのかはわからない。
 
自宅は団地より清潔になったが、
同居になると制約が多かった。
友達を家に呼べなかったり、
雪かきの重労働を手伝わされたり、
勉強の邪魔になるから静かにしろと言われたり。
いろいろと窮屈だった。
 
父は祖父母の言いなりになっているから、
いつも怒られるのは僕だ。
遊びたい盛りの小学生に、
「黙って大人しくしていろ」
なんて無茶を言うにも限度がある。
それでも、父は祖母に言い返せないから、
僕が静かにするしかなかった。
 
イトコの姉はカオリねえちゃんと呼んでいた。
退院後の妹は僕よりカオリねえちゃんに懐いた。
僕は何度も妹の病院にお見舞いに行ったのに、
ほぼ初対面のイトコに懐くのが気に食わなかった。
 
カオリねえちゃんは確か僕より4歳年上だったような気がする。
高校受験が迫ってくると、
「今カオリが勉強してんだから静かにせい」
とよく祖母に怒鳴られた。
仕方なく静かにする僕、妹、弟。
父は自分は無関係とばかり無視していた。
母は母で納得がいってないようだった。
 
カオリねえちゃんは自室にこもっていた。
おそらく勉強をしていたのだろうけど、
今となっては本当にずっと勉強していたか疑問だ。
あれだけ勉強時間を確保できたのに、
底辺普通科高校に進学したからだ。
一方、僕はたいして努力しないで進学校に受かった。
だから、僕はずっと心の中でバカにし続けている。
 
ある日、カオリねえちゃんとその友達、僕と妹で遊びに出かけた。
外で遊ぶのは珍しいことだった。
少し遠くの公園に行ってシーソーで遊んだ。
妹がシーソーの持ち手から手を離してしまったのか、
突然エビ反りの体勢になった。
誰がどう見ても危ない場面だった。
しかし、カオリねえちゃんはゲラゲラ笑っていた。
妹は怪我なく無事に降りることが出来たが、
帰り道でも思い出し笑いをしているイトコを見て、
非常に鬱陶しいと思った。
この人はきっと僕より幼いんだな、と思った。

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