Deja que el mundo condimente tu vida

Cafetalk Tutor's Column

Tutor Keisuke.H 's Column

I was a bocchi.㉞真剣のマコト

2024-07-11

三バカの一角、マコトはサッカー部だった。
サッカー部は野球部よりガラが悪く、
毎日練習している割に弱かった。
公式試合で一回戦突破をしたことがない。
 
別にマコトは剣道部だったわけではない。
教室に貼る今年の目標に、
『真剣』と力強く書いていたのだ。
それがカッコよくて印象に残っている。
僕は何も思いつかないから真面目と書いた。
 
ショウゴに復讐してからはマコトと遊ぶことが多くなった。
マコトの家で2人はファミコンで盛り上がった。
マコトはショウゴのように暴力的ではなかったから、
2人でゲームしていると楽しかった。
ただ、マコトもサッカー部だから、
部活の日には僕は一人で自宅に帰るしかなかった。
 
それは事件なのか事故なのかよくわからない。
僕が教室で地べたに座っていると、
マコトが彫刻刀を持って走ってきた。
僕はいつもの冗談だろうと思って避けなかった。
マコトも僕が避けるだろうと思っただろう。
その結果、僕は左膝を刺された。
 
幸い、傷は浅く血もすぐに止まった。
しかし、二人の間には不穏な空気が流れた。
詳しくは覚えてないけど、
マコトは動揺して直ぐに謝った気がする。
僕は図工で左指を切ったときより軽症だったから、
かなり驚いたけど別に気にしなかった。
痛くはなかった。
 
面倒になったのは母に傷跡を見られたからだ。
何かの拍子に傷跡を見られ、母に尋問された。
全部話すと母は僕を連れてマコトの家に向かった。
マコトとマコトの母に「謝れ」と。
 
僕は母を止めようとしたが、頑として聞かなかった。
結局、謝られたことで済んだ。
学校には報告しない。
もし報告していたら面倒なことになっていただろう。
 
イジメではない。
僕もいつも怪我を負うばかりではないからだ。
マコトとふざけて遊んでいるときに、
僕がよくわからずに背負投げをしたことがある。
受け身を取れなかったマコトは教室に倒れて泣いていた。
僕はマコトに怒られると思ってその場から逃げ出した。
しばらくして教室に戻るとマコトは倒れたまま泣いていた。
 
一連の流れを目撃していたショウゴに怒られてマコトに謝った。
マコトは親にも先生にも何も言わなかった。
それが僕との違いだ。
マコトの方が僕より器が大きかったようである。

Got a question? Click to Chat