久々のコラムは2期目になる。
僕が小学校3年生2学期で転校した後の記憶。
セピアとか色褪せたなんて綺麗な表現をしない。
まるで写真のネガフィルムのようだ。
今までの良い部分を全部切り取ってしまったような世界。
僕は転校を甘く考えていた。
たった5キロ離れた小学校に行くのだから、
環境はあまり変わりないだろう、
転校前の友達との関係もずっと続くだろう、
と楽観的に思っていた。
しかし、そんな簡単な話ではなかった。
転校前の友達とはどんどん疎遠になった。
チバ君との交流も徐々に減って年賀状も出さなくなった。
年賀状が来なくなって、
「僕はもう友達じゃないんだ」
と思って悲しくなった。
転校前の学校は1学年6クラス、
転校後の学校は1学年2クラス。
そして、港町の工場の近くだった。
中心街に近いはずなのに、
校舎は古くて生徒の訛りが酷かった。
第一印象は『暗い』の一言。
変声期の頃だったからかもしれないが、
校歌をみんな低い声で暗く、仕方なく歌っていた。
何かの冗談かと思った。
でも、それは毎回変わらず繰り返される。
ただでさえ古くて暗い教室に響く暗い声。
僕は合わせて歌うけどとても気持ちが悪かった。
校歌も前の小学校の方が好きだった。