私が塾講師をしているときに言われた、一番嬉しかった言葉です。
塾講師といっても、仕事は物理基礎の定期テスト向けの授業が多く、
化学は質問に答えるぐらいしかできませんでした。
これでは、恩師の足元にも及ばない。
仕事は楽しかったのですが、目標と現実の差に落ち込むことがありました。
そんなときに、10人くらいから言われ始めました。
「先生、高校に来て俺らに教えてくださいよ!」
「高校の先生よりわかりやすいよ」
え。
驚きました。
私は生徒に短時間しか教えていなかったのです。
ということは、その短時間で理解できないことが理解できた、ということだと思います。
高校で学習した範囲を解説しているので、下地がある分、教えやすかった点があります。
また、カリキュラム上の制約で、高校の授業の早さに慣れない生徒が多かった点もあります。
これは、高校の先生と私のハンデでしょう。
ただ、ハンデありでも、生徒にそう言われたことは大きな自信になりました。
恩師の足元に及ばないのは当然でした。
そもそも、積み重ねてきた時間の桁がそもそも違いますから。
「こういうサポートの仕方もアリなんだな」
「全部教えることが、教師や講師の仕事ではないんだ」
嬉しかっただけでなく、生徒にいろいろなことを教えられた言葉でした。