※「京都徒然(つれづれ)」は、わたしが京都にいるときに見たこと、感じたことをお伝えするコラムです。
(徒然(つれづれ)…何もすることがなくぼんやりしていること)
以前、このコラムで、
「比叡山(ひえいざん)が見える庭「円通寺(えんつうじ)」」を
ご紹介(しょうかい)しました。
今回は、同(おな)じく比叡山(ひえいざん)が見える庭「正伝寺(しょうでんじ)」です。
写真は、昨日の写真です。
冬で木々が葉を落としているので、
華(はな)やかな色彩(しきさい)はありませんが、
刻々(こくこく)と移(うつ)り変(か)わる空の色、雲の色を背景(はいけい)に
静かに比叡山(ひえいざん)と向き合うことができました。
春には桜、秋には紅葉がこの庭に彩(いろど)りを添(そ)えます。
ある冬、ここに座っていたら、
晴れていた空が、突然(とつぜん)曇り、雪が降り出して
比叡山(ひえいざん)の姿が見えなくなり、
しばらくしたら、雪がやんで、
また青空の下に比叡山(ひえいざん)が姿を現すということがありました。
短い時間の中で大きなドラマを見たような思いでした。
実は、この正伝寺、円通寺、そして比叡山(ひえいざん)山頂(さんちょう)は
いずれも北緯(ほくい)35度4分から5分、
東西に一直線(いっちょくせん)に並(なら)んでいます。
昔の人は、この方向から眺める比叡山(ひえいざん)が
もっとも美しいことを知っていて
この緯度(いど)にお庭を作ったんでしょうね。
正伝寺のお庭は、
デヴィッド・ボウイや谷村新司が愛したお庭ということでも有名です。
デヴィッド・ボウイは、
テレビコマーーシャルの撮影(さつえい)で来たそうですが、
それだけでも忘れられない庭になったのでしょう。
(これがその時撮影(さつえい)したテレビコマーシャルです。
比叡山(ひえいざん)が登場(とうじょう)しないのが残念(ざんねん)ですが、
背景(はいけい)にお庭の植え込みが写っています。)
https://youtu.be/2qvAM7Q-d9w?si=9DcAub7EhnuwS5RB
お庭というものは、四季それぞれの木や花で
お庭の表情(ひょうじょう)を変えるものですが、
円通寺や正伝寺は、
それに加えて、短い時間の中でも
空の光で比叡山(ひえいざん)の色合(いろあ)いが変わっていきます。
何度(なんど)来ても、いつまでいても、
飽(あ)きないお庭です。
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KOBA
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