私は恩師に激励されて再び走り出す。
どこに?公務員試験に向かって。
4月。国家公務員総合職の受験のため新幹線で会場まで行った。
手も足も出ないほど難しかった。
専門科目は仕方ないとしても教養科目でも解けない問題が多かった。
6月。国家公務員一般職の受験。
同じ会場で受けた。
総合職より一般職のほうが問題は簡単な筈だが、私には難しかった。
国家公務員の過去問をやり込んでいないのが敗因だろう。
その会場では化学の技術職の一次試験合格者はどちらも0人だった。
同月、市役所・県庁の技術職、更に別の市役所の行政職を受けた。
公務員試験は日程が被ることが多い。
上手く志望別に調整することができたのは運が良かった。
結果は市役所の技術職のみ一次試験合格。
別の市役所は私が住んでいる市よりも小規模だった。
しかし、行政職には多くの応募者がいた。
一般的に行政職のほうが技術職より倍率が高い。
当時の定員に対する倍率は、市役所の行政職が15倍、技術職が9倍だった。
加えて行政職は専門試験が法律系・経済系・行政系なので太刀打ちできなかった。
参考までに書いておくと、下記が出題範囲である。
行政系(政治学・行政学・国際関係・社会政策)
経済系(経済原論・財政学)
法律系(憲法・行政法・民法・刑法・労働法)
さて、勉強開始1年後に念願の市役所一次試験合格に辿り着いた。
しかし、ここでも面接と小論文に苦戦する。
集団討論では知識不足で上手く発言できなかった。
後は面接での留年の理由に詰まってしまう。
ここでも二次試験で不合格。
どうしても二次試験の壁を突破できなかった。
9月に水道局の一次試験があったが受ける気にならなかった。
弱気になっていたし、また不合格通知が来るのが怖かった。
この時点で私は公務員を目指すのを諦めた。
「公務員はクビにならないから良いよね」
「公務員は楽な仕事だよね」
という言葉を聞いたことがある。
私は採用されていないからそこら辺はわからないが、