ゆっくりのパッセージ、速いパッセージにはそれぞれ難しさがありますし、ある程度仕上げるには時間もかかるものです。
しかしながら、速く弾けないときに、「まだ練習が足りないな」と現状をつるっと飲み込んでしまうのは良くありません。
気合いに流されるままに、がむしゃらに時間を重ねて仕上がった時に、正しい方法でまとまっていることは極めて少ないです。
そのまま本番に臨めば、頭も身体もオーバーヒートして、ただの全自動になってしまいます。
小さい時は、それでも頑張っている空気が曲の熱量ともマッチしたりしていいんですが...汗
速く弾けないのが単純に練習時間不足、トレーニング不足と言えるのは「そのまま時間を重ねれば速くなる」状態の時だけです。
身体も元気で、疲れ知らず、手も柔らかい20代までは気合いでなんとかなることも多いですが、そのあとの進歩は分かりきっているつもりの当たり前の基本の動作の目盛をどこまで細かくできるか、にかかっていると思います。
最近のレッスンの中で、思うことをざっと書き出してみます。
*細かく挙げるとキリがありませんので…
〜速く弾けないときに足りていない可能性があること〜
▪︎読譜不足
フィンガリングに根拠がない
フレーズの切れ目の見落とし
休符を数えてない
全部の音を同じように鳴らそうとしている
(同じ音価の音を機械的に同じ長さにしている)
テヌートなどの指定がないスラーの終わりで音が長い
▪︎拍子
拍子がメロディに埋もれている(拍子とメロディが連結されていない)
▪︎テクニック
左手
指の上げすぎ
不要な指の上下がある
指の押さえすぎ
不要なポジション移動をしている
ポジション移動のタイミングが遅い
移弦が遅い(タイミング)
右手
発音が遅れている(弦をつかめていない、弦を押さえ込んでいる)
弓が止まってない
弓の配分間違い
移弦が遅い(タイミング)
▪︎テクニックと大事な音の連結
拍頭やスラーの頭、アクセントや主音などの大切な発音のときの動作の勢いの中に続く音をまとめられていない。
ざっと挙げてみましたが、これらをクリアして、
リラックスして、
脚で拍子を取りながら、
一つ一つの動作、勢いのまとまりを把握して、
一定のテンポを守ることができる。
そこまでできて、残るのが「練習時間不足?」と言えるんだろう、というのが最近よく感じることです。
https://twitter.com/YutaN_Violin/status/1657704548159594496