春の日に、日が暮れるまで、子供と毬をついて遊んだ・・・。
というイメージの良寛さんも、恋をした。
貞心尼という若い女性が、良寛さんの前に現れたのである。
良寛さんの歌を読み、尊敬していた貞心尼は、情熱的に良寛さんに迫った。
初めのうちは躊躇していた良寛さんも、
君やわするる道やかくるるこのごろは
待てど暮らせどおとづれのなき
(あなたはもうここへ来る道を忘れてしまったのですか、
それとも道のほうが隠れてしまったのですか、いくら待っても来てくれないのですね)
と、恋心をいだくようになった。
自由人、良寛さんの、別の一面である。